中編3
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創作2(S3)

Go to East

古城の中に入った2人は城の中庭を通り、ヘリが消息を経った古城の東側を目指し歩いていた…

「ニック、あれ!」

ニーナが指差す方向には炎上するヘリがあった。

「N.E.S.U.のブラックホークだ。…酷いな。これじゃ生存者は居ないだろう。」

ニックはそう言いながら、ヘリの周りの捜索を始めた。

「………うう、」

茂みの奥から誰かの呻き声が聞こえた。

ニックとニーナはその方向へ走った。そこには黒い軍服に身を包んだN.E.S.U.の隊員がいた。

「大丈夫!?ウソ…

酷い、脚が折れてる。」

「おい、しっかりしろ!」

「……うぅ。あ、あんたら増援部隊か……?」

「ええ、そうよ。

待ってて、今応急処置をしてあげるから…」

「他の隊員達は何処だ?」

ニックが負傷した隊員から状況を聞いている間に、ニーナは彼の怪我の手当てをした。

「皆、死んだ…と思う。」

「死んだと思う?

遺体は何処だ?ヘリの中には見当たらなかったが?」

「……でかい化け物が、

そいつが抱えて何処かに連れていっちまった…」

「化け物は、ナイトメアか?」

「多分…

あんなタイプは過去に見たことがない。……まるで空想上の生き物、そう、ケンタウルスみたいな奴だった。」

「成る程な…砂漠の足跡はそいつのと言うことか…」

「………奴は、空を飛べる…俺達のヘリは、城の城内に低空で侵入している所を奴に見つかって、悪魔のような黒い羽で飛んできた奴に壊されたんだ…」

「どうしてお前は助かったんだ?」

「ヘリが奴に襲われた瞬間、俺は、降下の為に開けてあった扉から外へ投げ出された…。本来ならそれで即死だった所だが…幸いヘリが低空で飛んでてくれたから、脚を折るだけで済んだのかもな…」

「はい、完璧とはいかないけど、一応処置は終わったわよ。

あなた、名前は…?」

「ジャック…ジャック・ケニー。

ネス(N.E.S.U.)のユニット2の隊長だ…

と言っても部下は皆、何処かへ連れていかれちまったが…」

「ジャック、歩けるか?

もし無理ならば、ここで助けが来るのを待っていて欲しい。俺達はやることがあるんだ。」

「ちょっと、ニック。

怪我人を置き去りにしていく訳?」

「ここならナイトメアに見つかる事は無いだろう。

それに、俺達に彼が付いてきた所で歩けなければ足手まといになり、3人全員が死ぬだけだ…」

「だからって…」

「いや、いいんだ。

そいつの言う通りだよ、姉ちゃん…

足手まといになる可能性がある奴を連れて歩くのは戦場じゃ危険な行為だ。特に今回の様な戦場ではな…」

「…わかったわ。一応、救援部隊を要請しておくから、彼らが来たら保護してもらって…」

ニーナは無線で本部のフロストに真面目な口調で救援依頼をすると、痛み止の薬をジャックに渡した。

「……すまないな。」

「いいのよ、救援は1時間程で来るらしいから、それまで頑張って…」

「行くぞ、ニーナ。

他の隊員達の消息も追わなくてはならない。」

「あ!?ニック、やっと私の事名前で呼んでくれたね。」

「ナイトメアがいる初めての戦場でそこまで落ち着いていられるその度胸は大したものだ…

期待してるぞ、相棒。」

「え!?何か答があやふやだけど…

私を仲間と認めたって事よね?」

「ああ、そうだ。

先を急ぐぞ、ニーナ・ヘイル少佐。」

「はいはい。」

2人はさらに城の内部へと侵入すべくジャックの傍を後にした。

小さくなっていく2人の後ろ姿を見ながらジャックは小さく呟く。

「へっ、意外といいコンビみたいだな…」

2人は城のエントランスを見つけ、そこへ足を向けた…

怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん  

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