中編4
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創作2(S4)

Team-6

赤いカーペットが敷かれた古城の城内。

2人は城の一階部分の探索を始めた…

「じゃーん!ニック、見て、ダイヤ発見!」

「俺達はトレジャーハンターじゃないぞ。ふざけてないで真面目に任務を遂行しろ。それから、俺には、フロスト准将や他の上官にお前の行動を報告する義務があると言うことを覚えておけ。」

「ウザッ…」

「ん?何か言ったか?」

「いえ、何も。

さあ、真面目に任務を遂行しましょう。」

「………?」

2人は城の食堂らしき場所に出た。

長いテーブルが部屋の中央に置かれ、両脇の壁には中世の甲冑、突き当たりの中央には大きな暖炉があった。

「うわぁ、すっご……んん!!」

突然、ニックがニーナの口を手で押さえた。

「ちょっ…何よ?

私が可愛すぎて襲いたくなった?」

「んな訳ないだろ。

黙って暖炉の前を見てみろ…」

ニックに促され、ニーナは暖炉の方に目をやった。

そこには一人の人間らしき人影が見えた。

「…え、あれって生存者?」

「迂闊に動くな。

いいから、もう少し様子を伺うぞ…」

ニックのその言葉に2人はテーブルの陰に身を隠し、暖炉の前の人影の様子を伺った。

人影はどうやら辺りを気にしながら、何かを待っている様だ。

その仕草は、どうみても普通の人間のそれと同じだ。

…と、その人影の横を一匹のネズミが通り過ぎようとしていた。

その瞬間、人影は素早く動き、ネズミを捕らえ、ビチャビチャと音を立てて、それを喰らっている。

「やだ…ネズミ食べてる…そんなに空腹なの?」

「……?

バカな冗談は後にしろ。

銃がいつでも撃てるようにしておけ。」

「え?何で?

確かにネズミ食べる人なんて気持ち悪いけど、何も撃たなくたって…」

「ニーナ、お前本気で言ってるのか…?

あれがナイトメアだ。」

「ええ!?だってさっきジャックがケンタウルスみたいな奴だったって…」

「ナイトメアは1体だけとは限らない。きっと、城内には何体かナイトメアがいる…

奴もその内の一体だろう…」

「あいつ、強いの…?」

「見たところそれほど強い相手では無いだろう。

強いナイトメアは普通俺達が今の距離位まで近付いたら、気配を感じて有無を言わずに襲ってくる。」

「怖っ…

で、あいつはどうやって倒すの?」

「出来れば銃は使いたくない。銃声がすれば他のナイトメアが集まって来る可能性があるからな…

……ナイトメアの活動を支えているのは異常に活性化したミトコンドリアなんだが。まあ、つまりは酸素の供給が絶てれば奴等は死ぬ。」

「それって、首を折るとか、そういうこと?」

「単純にはそうだが、奴等は体の一部を自在に武器に変えられる。単身で背後から近づいたとしても、もし気付かれれば危ない…………

!?、ニーナ、何処行った!?」

ニーナは軍用のブーツを脱ぎ、足音を殺して素早く、ネズミを喰らっているナイトメアに近付いていた。

「あの馬鹿!!」

ニックはニーナの無謀な行動を止めようと、身を隠していたテーブルの陰から飛び出した。

その音に、ナイトメアが気付く。

ナイトメアは自分の一番近くにいたニーナに攻撃の矛先を向けた。

ニーナに動揺した様子は微塵も感じられない。

ナイトメアの両手がナタを形成し、それがニーナ目掛けて降り下ろされる。

バゴンッ、バゴンッ!

鈍い音が食堂に響く。

ニックは既に銃を撃つつもりで、引き金に手を掛けていた。

ニーナは、ナイトメアの初撃を交わし、代わりに渾身の蹴りをナイトメアの横っ腹に喰らわせる。

『……ガァァァッ』

ナイトメアは宙を舞い、テーブルの上に首から上をテーブルの縁に突き出した形で倒れた。

間髪入れずナイトメアのテーブルの外に突き出された首から上の顎にニーナの足が掛けられ、

「テメェ…

ネズミが可哀想だろうがぁ!!」

バキンッ………

ナイトメアは微動だにしなくなり、食堂は静まり返った。

ニックは引き金から指を離した。

ニーナがゆっくりと、ニックの元へ歩み寄る…

「ああ〜怖かったよ、ニック〜。あいつの両手がナタになった時はもうダメかと思った。」

「俺はお前が怖いよ……」

「……?せっかく銃を使わずにナイトメアを倒してあげたのに、そういう言い方は無くない?」

「ニーナ、お前、あの体術と動き…

一体何者なんだ?」

「だから、あなたと同じSEAL出身だって言ってるでしょ。」

「SEALの時の所属チームは?」

「え?チーム6、通称メイヘムってとこだけど…」

「お、お前、メイヘムの隊員だったのか?」

「あら、フロストさんから聞いてなかったの?」

「どうりで…」

海兵隊特殊部隊SEALチーム6、通称メイヘム。

厳しい軍の中でも規律が緩く、隊員は自由奔放な珍しいチームだ。

だか、このチームが有名なのは別に理由がある。

それは、各隊員個々の能力が極めて高いレベルで揃えられていると言うこと。

ちなみに、ニックの普段の相棒のビリーもここの出身だ。

「…確かに。ビリーも型破りな奴だったな。」

ニックがポツリと呟く。

「ニック、ビリーを知ってるの?」

「ああ、いつも任務を遂行する時の相棒だ。」

「ああ…大変でしょ。ビリーと一緒に任務を遂行するのって。あの人、煩いし、やたらテンション高いし、一人で突っ走るからな〜」

(「お前に言われたくねぇよ…」)

そう思ったニックだったが、それは言わずにそっと心の中にしまい込んだ。

2人は、再び城内の探索を開始した…

怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん  

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