中編4
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バスの中に

また大して怖くはないですが長文になります。文才が無いのに加えて誤字脱字も有り、読みにくい文章になると思いますが、最後まで読んでくださるとありがたいです。

何年か前の話なので、少し付け足している部分もあります。

俺が高校生の時。1年の2学期の終わりから、学校へは自転車で行くようになった。それにはある理由があった。

自転車で行くようになる前はバスと電車を利用していた。遠回りになるが、単に楽だからという事で、片道1時間少しかけて毎日登下校していた。因みに自転車だと片道40分ぐらい。

俺は部活をしていて、帰りの時間はその日のメニューによって決まる。更に俺は普通科以外の科(詳細は秘密)に所属していた。そのため課題の提出期限が迫ってくると、嫌が応でも遅くまで居残りをしなければならない。

つまり部活の後に居残りをする訳だ。家につくのが10時を過ぎる事も珍しくはなかった。

その日は部活やら居残りやらでいつもよりもかなり遅くなった。俺は、一緒に残っていたクラスメートと駅までたわいもない話をし、電車に乗った。

電車から降りると、人通りの少ないホームを歩き、改札を抜けてバスを待った。

時間が遅くなるにつれて、当然バスが来る回数は減る。

5分程待つと、23番のバスが来た。だが俺の乗るものではない。それから待つこと10分、21番が角を曲がってこっちに来るのが見えた。俺はこれに乗る。さっきの23番に人が乗っていったため、俺と同じで次のバスを待っている人はごく少人数であった。

やっと来たか、と思いバスが近付くのを待つ。

バスが停まった。

眠気眼を擦りながら顔を上げる。人が降りていく中、一番後ろの席に座っているショートカットの女性だけ、動く様子がない。

21番のバスはここが終点だ。降りないと、来た道をまた戻って行くことになる。

乗客用のドアが開いた。

運転手は普通、無賃乗車を防ぐために、終点で一度車内を見回して全員が降りたのを確認してから、乗客用のドアを開く。

そう思っていた俺は、まだ人が乗っているのにドアを開くなんて、と不思議に感じた。

バスに乗ると俺は出来るだけ前の方の席に座った。一番後ろは5人座れるスペースがあり、広いのでよく使っていたが、その日は流石に使わなかった。…使えなかったと言った方が正しいが。

よほど疲れていたせいか、席に座るとウトウトし始めた。そのうち窓に頭をもたげて寝てしまった。

ふと起きる。自分が降りなければならないバス停を過ぎてしまったような気がして外を見ると、まだ4つ前ぐらいの所であった。

ふぅと安堵の溜め息を漏らしてみたが、気になることが一つ。後ろの女性だ。もし普通の人だとしたら、後ろをチラチラと見るのは失礼な事だ。だから俺は、何気なく横に置いていたエナメルバックを手に取り、中をゴソゴソする。勿論何かを探している訳ではない。

チラッと後ろの方に目をやる。あの女性はいなかった。今度はよく見回したが、やっぱりいない。

一瞬怖くなったが、自分が寝ていた間に降りたのだろうと、紛らわすために勝手に解釈した。

しかしここからがバカだった。俺はケータイで動画を録ろうと思ったのだ。もしかしてもしかするかもしれない、という考えが浮かんでいた。

車内には俺と少しハゲたおじさん、それから若い感じの茶髪の女性の三人。

カメラを撮る時はカシャッと大きな音がなって、俺が誰かを盗撮したと誤解されるような気がした。動画だと音は小さいし、メールが来た時のものに似ているので、誤解されない気がした。(俺の機種はそんな感じ)

俺は他の二人よりも後ろの席だったから、動画は録りやすかった。たった一分間程度の短い時間。バスを降りて家へ着くまで、それを見たい気持ちでいっぱいだった。

家に着くとただいまも言わずに部屋へ駆け込んだ。ケータイを開く。動画再生。

………。

何も映っていない。

俺はケータイを閉じるとベッドに投げた。部屋を後にする。

夕食、風呂を済ませ就寝した。

次の日。

昼休みにクラスメートと話していると、怖い話の話題になった。そこで俺が昨日のことを話すと、一人がその動画を見せてくれと言った。俺は何も映ってないと言ったが、念のためと、ケータイを取り上げられた。話を聞いていた奴等がケータイの回りに集まる。

再び動画再生。

しばらくして、友達の「本当だ」のがっかりする声。「だから、映ってないって言っただろ」と俺。

ケータイを返してもらうと、俺はもう一度それを再生した。一人が言った言葉が気になったからだ。さっき見そびれた奴等が集まる。

「っつーかお前、人乗ってるのに録るなんて度胸あんなー」

人?確かに乗ってたけど、動画には映っていなかったはず。俺は俺から後ろの席しか映していない。

動画を見た後、すぐに削除した。

いた。しかも二つ後ろの席。近い。口元は微かに上がっているように見える。カメラ目線。

全身に鳥肌が立った。友達には言わなかった。

「あーホント。何も映ってねーな。」

作り笑い上手いなぁと自画自賛。本心は笑えない。当たり前だ。

次の日からは弟の自転車を借りて学校の近くの駅まで行き、そこから歩いた。自転車通学許可証を持っていなかったから学校までは行けなかった。

しばらくして自分の自転車を買ってもらい、許可証を申請した。それからバスと電車は使わなくなった。

今だに思い返しては、何故あの日だけ見えてしまったのかとか、何故一回目見た時は映っていなかったのかなどと不可解な点が残る。

まぁそこは知らない方がいいのかもしれないが。

他にも幾つかの実体験、友人から聞いた怖い話があります。機会があったらまた投稿させていただくかもしれません。その時は暖かい目で見てくださると嬉しいです。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

怖い話投稿:ホラーテラー 鬨さん  

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