短編2
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口紅

実体験。

私には1年付き合った彼氏がいた。

彼は自衛隊員で地震の救済活動にかりだされた際、予震の被害にあい殉職してしまった。

誰にでも優しくいつもニコニコ笑う彼が大好きだった。

クリスマスや誕生日にはいつもプレゼントをくれてサプライズをおこしてくれるような人だった。

「こんなサプライズいらないよ…」

私は廃人のようにただ息をするだけの生き物になっていた。

彼のことが頭から離れず彼が生前言っていた言葉や行動すべて忘れることができず毎日泣いていた。

「俺が死んだらお前は愛する人をみつけてしっかり幸せをつかむんだぞ」

「ばかぁ…」

そんな彼が言っていた

「なぁ口紅ぬんのやめろよ」

「なんで?」

「キスした時べたべたしてやだ」

「わかったよ」

それから私は一切口紅をぬらなくなった。

彼が亡くなってからもひたすらその約束を守っている。

意味ないのに…

もう彼はいないのに…

それから数ヶ月たった、生きていたら彼との2年記念日。

私の部屋の鏡台に薄ピンクの口紅がおいてあった。

私は愕然とした。

その口紅は私が昔彼にほしいと話していたNYXの口紅だった。

彼だと思った。

だってその口紅の話しは彼以外誰にも話していない。

ましてや周りは私が口紅をぬらないのを知っている。

あの口紅は今でもあります。

「俺が死んだら愛する人をみつけてしっかり幸せをつかむんだぞ」

笑っていた彼の言葉は本気だったのかな。

あの口紅は

「もう俺に縛られないで生きていけ」という意味なのかな、と私は解釈しています。

怖い話投稿:ホラーテラー 林檎さん  

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