中編3
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荒らされた部屋

朝、目が覚めたら部屋が荒らされていた。

お金や貴金属は盗まれてはいませんでしたが、

台所では包丁が一本無くなっており凄く怖くなりました

でも、誰かが侵入して包丁だけ盗んで部屋を荒らした?

確かに玄関の鍵は開いていましたが、物音を聞いていたら

さすがに気づくはずです。

被害は無いので警察には通報せず、その日は会社に向かいました。

その日の帰り、自分のマンションの目の前の家にパトカーと人だかり

聞いたところによると、自分と年の近い会社員が何者かに殺されていたそうで

包丁で背中を一突き。しかも時刻は昨日の深夜。

それを聞いたとき思わず身震いをしてしまいました。

もしかして、自分の部屋を荒らしたのは向かいの殺人犯?

だとしたら、殺されていたのは自分かもしれなかった?

犯人は未だ捕まっておらず、その日は夜遅くまで眠れずにいました。

朝になり目が覚めると、

今度も部屋が荒らされていました。

盗まれてるものは無く、被害は荒らされただけ。

確かに玄関の鍵はかけたはず、ですが また鍵は開いたまま。

昨日の殺人犯が?

恐怖と共に、今こうして生きているのが不思議に思えてきましたが

この謎を解明したい、そうも思えてきました。

その日は会社を休んで電気店で小型の防犯カメラを買うことに

人に反応してライトが自動的に点灯

一つのディスクに一晩分の記録ができる物です。

電気店からの帰り道、今度は右隣のマンションにパトカーと人だかりが、

今度も包丁で背中を一突き。しかも犯行時刻は昨日の深夜。

このカメラを買って良かった、思わずカメラの入った袋を握り締めていました。

その夜はカメラをセットしたせいか、少し安心して眠りにつくことができました。

昨晩よりも気持ちの良い目覚めでベットを降りると

またもや部屋が荒らされていました。

とうとう怖くてどうしようもなくなり、

カメラの映像を警察に渡そうと思いました。

犯人が映っているこのディスクを。

映像の確認のためにディスクを再生してみることに、

深夜3時をまわったころ、カメラのライトが点灯。

白っぽいジャージ、遠くて顔は良く見えないけど、人が居るのは確か。

部屋の中で暴れると外に飛び出していきました。

映像はここで終わっていましたが、証拠としては十分なはず。

ディスクを取り出そうとプレイヤーに手を伸ばした瞬間

またもや映像が始まりました。

なんと犯人が戻ってきたのです、部屋の真ん中でキョロキョロすると

押入れを開けて何かをしています。

すると今度は、カメラに近づいてきます。

一歩、一歩ゆっくりと。カメラの前に来た瞬間

ライトが反応して点灯したのです。

そこには、見覚えのある顔

自分が居たのです。

カメラに向かってケラケラと笑う自分

ふと、服を見ると白のジャージが黒くなっていることに気づきました

いま、自分が着ているジャージを見ると、固まった血で黒く染まっていました

急いで上のジャージを脱いで外に出ました。

マンションの人たちが騒いでいるのを見つけ、何の騒ぎか聞くと

「今度はこのマンションで殺人事件ですってしかも、包丁でメッタ刺し」

「部屋中血まみれだったらしいですよ」

部屋に戻り、押入れを開くとタオルにくるまれた何かが置いてありました。

包丁です。

血まみれの包丁、自分の家で最初に無くなった包丁。

僕が殺人犯?

未だに犯人は捕まっていません。

怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん  

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