中編3
  • 表示切替
  • 使い方

イヤな笑顔

初めての投稿です

今日は心霊関係以外の話を、させていただきます。

皆さんにはあんまり怖くないと思うし、乱文・長文で怖さが半減してしまうかもしれませんが、それでも許せると言う方、どうぞお付き合いください。

これは、私の最近悩んでいる話です。

その日は大学が休みだったので、朝から居間で愛犬のポンタと遊んでいました。

すると…

ピンポーン…

とインターホンが鳴りました。

その時私はパジャマ姿だったので、心の中で(ごめんなさい)と思いながら、やり過ごしました。

ピンポーン…

ピンポーン…

自然と私もポンタも(?)息を殺していました。

…そろそろいなくなったかな?と思っていたのですが…

ピンポーン…

ピンポーン…

ピンポーン…

…ピポピポピポピポピポピポピポピポピポピポピポピポピポピポピポピポピポピポピポピポピポピポピンポーン

(?!…)

今まで勧誘の人くらいにしか思っていなかったので、これにはかなり驚きました。

(……お兄ちゃんかな?鍵忘れて困ってるのかも…)

その時の私は、なるべくポジティブに考えようと思って、普段兄が鍵を忘れた時は、携帯で連絡してくる事を思い出せませんでした。

家に来る時は前以て連絡してくる事も…。

恐る恐る受話器をとりました。

「……はい」

「〇〇〇さーん、郵便ですよー」

……郵便局の、人?

そう言えば、この前父方の祖母からお年玉が来るって連絡きたっけ…。

(静岡に住んでいる祖母は認知症で、私の事を母だと思っています。)

「……ちょっと、待ってて下さい…」

(なんだ、郵便局の人だったんだ…でもどうしてあんなにインターホンを鳴らしたんだろう…)

不思議に思いながらパジャマの上にセーターを羽織って外に出ました。

外にいたのは、確かに郵便局員の方でした。

しかし、何だか様子が変なのです。

郵便局員さんの笑顔が、怖かった。

私がやり過ごしていた事を、元から知っていたような、そんな笑顔。

この時点では、私の自意識過剰かな?と思っていたのですが、その後、私はとても後悔する事になりました。

そのにやけた笑顔を見ないように、ハンコを押そうとした時。

「〇〇〇さん可愛いですね、付き合って下さいよ」

「…え?」

一瞬、頭が真っ白になりました。

この人は何を言っているんだろう…初対面の私に、しかもあんなにインターホンを押した相手に…。

「何なんですか、ハンコ押しましたから」

「いいじゃないですか、付き合いましょうよ」

先程の怖さがよみがえってきました。

見た目で判断するのは失礼な事なのですが、その人、奥さんがいてもおかしくないような方でした。

私はまだ大学生です。

ワンワン!

居間にいたポンタが警戒して吠えだしました。

「お、わんちゃん飼ってるんですね、可愛いなぁ…見せてもらえませんか」

目の前にいる人が怖くて怖くて、私は

「ご苦労様でした!」

それだけ言って、今にも入ってきそうなその人を押しやって、ドアを閉めました。

その日は、怖くて外に出られませんでした。

次の日、

昨日の事を気にしながら、大学もあるので身支度をし、部屋のカーテンを勢いよく開けました。

私の部屋からは、玄関が見下ろせる様にできているのですが、そこに…

…昨日の郵便局員の人がいたんです。

昨日と同じにやけた笑顔で。

私がしばらく凍りついていると、その人は私を見つめ、笑顔のまま、お隣りに手紙を投函して去って行きました。

それから、あの人は毎日来る様になりました。

両親に相談し、朝は一緒に玄関を出てもらう事にしましたが、その人は毎朝私たちに

「今日はいい天気ですね、お仕事頑張ってください」

など、声をかけて来るんです。

あの笑顔で。

それ以来、私は部屋のカーテンを開ける事が出来ません。

今、一人暮らしを考えています。

誤字、脱字失礼いたしました。

でも実際の話です。

怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん  

Concrete
コメント怖い
00
  • コメント
  • 作者の作品
  • タグ