中編4
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吊橋にて

宮崎県の綾町にある世界ニの吊橋がある。

そこで起きた不可解な出来事です。

俺は、宮崎生まれ宮崎育ちで仕事で福岡に来ているリーマンです。

せっかくの連休で宮崎に帰ってきたのに雨。

まードライブがてら友人と二人で学生の話をしながら綾町へ。

なんで、綾町かって?

仲のいい親戚が綾町に住んでいて、久しぶりに宮崎に帰ったから3年ぶりに会おう…ふと思っただけである。

友人は、綾町に初めて来た。

なので、綾町と言えば【吊橋】ということで男二人で吊橋…

寂しすぎる…

なんか彼女いないのバレバレじゃない!

ま、心の中じゃ そんなことを思って運転していると吊橋に着いた。

駐車場に車を止めて、小雨の中を二人仲良く歩いた。

傘もささずに、吊橋手前で入場料を払い吊橋へ。

無茶苦茶、高い。

下には川が流れている。

吊橋だから、風が吹けば少し揺れる。

それだけで恐かった。

今まで何度も投稿しているが、その度に言うことがある。

『俺は、ビビりです。』

高所恐怖症ではない。

でも、足がガクガクなるような感じだった。

遊園地に行っても、絶叫マシーンに乗れない臆病者ですよ…

俺にとっちゃ、吊橋さえ絶叫ものなのに

あんなことが起きるとは…

俺と友人は、歩み進め吊橋の真ん中あたりを歩いていた。

吊橋の足元は、鉄板になっていて

二人の足音が

『カツカツカツカツ…』と鳴るのだが、ふと気付くと別の足音が聞こえる。

カンカンカンカン…

友人と俺は足を止めた。

すると、もう1つの足音も ピタリと止んだ。

友人が、俺の顔を見ながら歩きだした。

俺は、動かなかった。

気のせいであってほしいと願った。

カツカツカツカツ 友人が歩く。

もう1つの足音は聞こえない。

二人しかいない吊橋なのに、まさか足音がもう1つ聞こえるなんて ありえない。

友人が止まる。

『こっち歩いて来いって…』

友人は、ビビってる。

俺は、更にビビってる。

ただでさえ、吊橋の上にいて恐いのに…

恐る恐る、歩きだした。

カツカツ…

カンカン…

また聞こえた。

うわぁ…

絶対、なんかいる。

カンカンって、音が鳴るけど実は 足音じゃないんじゃ…

風が強いから、何かのロープか何かが揺れてどっかに当たって音がしてるんだ。

そう考えたかった。

それしか、考えたくなかった。

でも、やはり歩くと もう1つの音が聞こえる。

周りを見渡すけど、吊橋の上とか でかい鉄のロープだし…

まさか、手をかけることが出来るサイドか!

そう思い、少しだけ吊橋から身を乗り出し

右も左も見てみる。

何もない。

真ん中にいた俺らは、少しずつ先に進んだ。

来たとこと反対側の山側に着けば、吊橋の上よりはマシだと思った。

友人が小走りに山側へと向かう。

それを見ていた俺も遅れて小走りに走り出した。

カツカツカツカツ

カンカンカンカンカンカン…

音がついてくる。

なんなんこれ!もう!

小走りから全力疾走になった。

先に、友人が山側へ着いた。

俺も、もう着くって時に…

『…マッテ…オイテカナイデ…』

俺には、そう聞こえた。

小さな女の子のようなか細い声が、聞こえた。

更に、ピッチを上げた。

でも目の前には、友人がいる。

友人に突っ込んだ。

はぁ、はぁ、はぁ…

疲れて息が上がったわけじゃなくて、

恐くて心拍数が上がったからだった。

山側に着いて、声が聞こえたことを友人に言うと友人が耳を塞ぐ。

『こう行ったらいいんだよ。』

音が聞こえるから、声が聞こえるから恐いわけだし

そう言うと二人とも走った。

真ん中あたりまで来たときに

カンッカンッカンッ!

さっきよりも、強い音が聞こえた。

振り返ると、黒い物体が追いかけてきた。

うわー!逃げろ!

友人が叫ぶ。

その黒い物体は人の形をしていたが、吊橋の鉄板を這いながらこっちに向かってくる。

腕がない。

足らしきものは左だけあった。

その黒い物体が、こっちに向かってくるときに カンッカンッカンッ と音がしている。

こいつ、どうやって全力で走る俺らに追いついているのかわからなかったが近くまで追いつかれた時に わかった。

黒い物体の顔らしきところに白いものが見えた。

こいつ…

歯か!

そいつは、歯を鉄板に引っ掻けながら前に進んできている。

そして蛇のように身体をくねらせながら進んでくる。

そして、ようやく吊橋を抜けた。

その黒い物体は、消えていた。

駐車場までダッシュで戻り、急いで駐車場から出た。

そして坂を下り、吊橋の下を抜けるときに

吊橋を見上げると女の子が吊橋の裏側に立っていた。

重力を無視した格好で赤い糸を垂らしている。

垂らした先には、黒い物体が宙吊り状態で ぶら下がっていた。

いや、本当に これは恐かったです。

怖い話投稿:ホラーテラー 福岡県民さん  

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