中編7
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僕らの珍道中

まず初めにこの話は全く怖くないし、皆さんが望むような文章がかけるわけでもない。それでもこの低レベルな話に付き合ってくれる人だけ読んでくれ。では始める。

全ては友達のこの一言から始まった。

なあ、ちょっと隣町へ出かけてみない?

どうしたんだよ急に。

なんだお前しらねーのか?

なんだよ。しゃらくせ~。もったいぶらずに話せよ。

俺がキレぎみにいうと友達が口をひらいた。でるんだってよ。

な、なにがだよ。隣町はたしかこの、都会と比べてとんでもねーほど田舎だったし周りは田んぼや畑だったはず。そう、まるで別世界だ。この時俺はあの田園の合戦を思いだしていた。

幽霊だよ。ゆ•う•れ•い。しかもやたら首の長い長髪の女が四つんばいにになって追いかけてくるんだよ。怖くね~か?

たしかにちょっと不気味だけどだからって俺にどうしろと••••

だから確かめに行くんだよ。その女を。

俺はおもわず鼻で笑ってしまった。だけどあの時の合戦を行った以来スリルというか、刺激を味わってないし(いまだにお尋ね者だが。詳しくはくだらない田園シリーズを見てくれ。)

そんなこんなで、明日の土曜日夜10時に懐中電灯を各自持参、といっても俺ら二人だけだが集合することになった。

その日の下校俺は友達に質問した。何でお前がこんな話いや、噂を知っているんだよ。

なんだお前。本当に何にもしらねーんだな。この噂結構俺らの学校じゃ有名だぞ。話によるとだな、やっぱこの話は現地に着いてからしてやるよ。雰囲気でるしな。

あ、そう。

へへ、悪いな。

だがこの時まだ二人の馬鹿ものは知る由もなかった。

本当の恐怖はここから始まる。

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内心俺は後悔していた。もし得体の知れない化け物がでてきたらどうしようか。そんな不安が頭をよぎっていた。

そして友が待つ場所に着いた。

「よー。遅かったじゃねーか。てっきりヒビッて部屋に閉じ込まってるかと思ったぜ。」

う、図星だ。だがもちろんそんなこと悟られたくなかったのであえて強気に、

「別にビビってねーよ。寒いからいきたくなかっただけだ。」

と、早口で言ってのけた。

「そうか。馬鹿にして悪かったな。じゃあ早いとこ出発しようか。」

「おうよ!」

各して二人の珍道中が始まった。

「それにしてもずいぶん暗いな。今何時?」

「10時20分くらいかな~。」

懐中電灯が照らし出す景色はどれも田んぼや畑ばかりだ。

そのうち田舎独特の匂いがした。

「くっせー。」

「そうだね。それにしても冷たいね。風。」

「ああ。そういや、あんまり詳しくこの噂話してなかったよね。もう現地だし話てやるよ。」

「ごく。」

「話によるとこの先右に曲がった所に大きな祠がある。問題はその祠に貼ってあるお札だ。そいつを剥がすとあの例の女がでるらしい。」

「つまりそいつは封印されてるってこと?」

「そういうことだ。そんで逃げようとすると、長い髪を一心不乱に振りまわしながら四つんばいになって追いかけてくるらしい。」

「つ、捕まったらどうなるの?」

「さあな。でも噂によると、手足だけズタズタにし、自分のものにしちゃうらしい。」

「うぅ、怖っ。」

この時俺は思った。行かなきゃよかったと。

「ほら、ここを右だ。」

見るとそこには確かに大きな祠があった。すごい威圧感だ。

「まさか本当にあるとは。じゃあ、さっそく剥がしますか。お札。」

「え? 正気かよお前。」

この時友の様子が変わったことに俺は気づいた。

「へへっ。大丈夫だって。ほら。」

「べり。」

あ!? 俺は声にならない声をだした。

その瞬間空気が変わったきがした。表現しにくいがピリッとした感じの。

と、同時に

「ゴキ、バキッ。」

「ア、アアアアアアア…」

と、いった感じの音や低いうめき声が………

この時涼しかった風がいつの間にか凍てつく凍える寒さに変わったような気がした。

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相方が目を覚ました。

「ここはどこ。」

「馬鹿いってんじゃねー。前みろよ。前。」

その一言で友達がようやく事の重大さに気づいた。

「な、なんだよ。この化けものは。」

「お前が札をはがしちまったんだろ。と、とにかく逃げるぞ。」

「お、おう。」

俺達は走った。これでもかというぐらい。まさかこんなことになるとは……

いつの間にか汗だくになっていた。

聞こえるのは俺らの息づかいと、後ろから聞こえるゴキゴキという謎の怪音。ふりかえりたくはなかった。でも馬鹿な俺は気になって振り返ってしまった。

その瞬間血のけがサーとひいた。

ソイツは噂どうり本当に四つんばいになって追いかけていた。髪が長く顔がよく見えなかったが首が異様に長いことを今でも覚えている。

どれくらい走っただろうか。

そろそろスタミナが限界で

怪音も聴こえなくなった。

ふう助かった。

その矢先、突然視界が真っ暗になった。いや、ちがう。髪だ!?

とっさに判断した。

覆い被さっている。もうパニックだ。

友達と俺は悲鳴を上げた。

「うわわわわわわわわわわわ!」

生きた心地がしなかった。

そしてすかさず必死に謝った。

「ごめんなさい。ごめんなさい。」

と、なんども。

だがあのおんなは手足を

掴んでドスのきいた低い声でこう

つぶやいた。

[モッテ イクゾ…]

そして俺らは気絶した。

きがついたら小屋にいた。ここは

一体••••••

友達も目が覚めて俺と同じことをぼやいていた。

すると突然戸が開いた。

俺たちは身を引いた。

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「ゴクッ。」

俺達は固唾をのんだ。

すると中からお坊さんみたいな人が出てきた。

「目が覚めたか。ぼうず達。」

ほっとした。あの化け物じゃないんだ。

「あ、はい。で、失礼ですがあの~どちら様ですか?」

「ん、ワシか。ワシはなただの通りすがり

のお坊さんじゃ。それよりもこれまでのいきさつを話ておくれ。」

よくみると、その人は顔じゅう傷だらけで

非常に痛々しいと感じた。どこかのヤクザ

みたいな顔つきだ。

本当は通りすがりじゃないな。

だがあえてつっこまず、友達と一緒に

これまであったことを語りだした。

友達と噂を確かめにいったこと。

獣道を進んだ先に大きな祠があり、

友達が剥がしてしまったこと。

すると突然例のあの女が出てきて、

俺たちを追っかけたこと。

ありとあらゆること全てを話終えた。

するとお坊さんさんがしばらく「ウー。」

うなったあと、口をひらいた。

「お前らうつけ者はとんでもない事をしてしまったな。だがもういい。過ぎ去って

しまったことは。おまえらに全て

話してやろう。

まず初めにお前らさん方が見た女という

のはおばけとかそんなものじゃない。

次元がちがうのだ。もっと邪悪でまがまが

しく危険な存在だ。強いて言うならば、

魔物だ。」

すると、今まで黙っていた友達が口をひらいた。

「あの僕途中記憶がないんですが。」

「うむ。そりゃそうだ。なんせ取り憑かれ

ていたからな。」

やっぱり。あの時、あいつの様子が

変わったのはきのせいじゃなかったんだ。

「続けるぞ。坊主ども。詳しくはわからないがアヤツの正体については未だ謎

なのだ。一説によれば人々の

怨念が集まりできたという者もおれば、

ある種の神様じゃないのかという者も

おる。だが一つはっきりしていることが

ある。古い書物によれば、ソイツは平安時代から存在してしまっていることだ。

たびたび悪さをしておって人々を困らせて

いた。そこであるお坊さん。そうそれが

ワシの先祖にあたる方が、命と引き換えに

魔物を封印した。そう記されている。それが時がたつにつれて

代々受け継いでいってる。」

「命と引き換えに。」

「そう、つまりワシは今晩が峠というわけだ。」

俺たちは急に悲しくなってきた。

俺らのせいで……

だがふと不思議に思った。

だからってつい口にだした。

「あの、僕達ヤツに、モッテイクゾ

みたいなこといわれたのですが。」

するとお坊さんが

「お前達は運がええ。あれは

ほんのお遊びだ。だが最終的にもっていくものはもっていく。

命をな……。」

俺らは身震いした。と、その時

背筋に悪寒がはしつた。きのせいだろうか。空気一段と重くなった感じがする。

そしてお坊さんがポツリと呟いた。

「いよいよ、ヤツのおでましか。」

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その時俺は自分の死を確信した。

「い、嫌だ。死にたくないよ。」

二人は同時に発狂した。

だがお坊さんはいたって冷静だった。

「静まれ。坊主ども。ここはもうもたん。

外へでてアヤツを封印する。

お前達は結界の中におれ!」

「は、はい。」

慌てて外へ…

見ると確かに、地面に魔法陣みたいなのが

描かれていた。

と、その時ヤツが突然目の前に…

パニクる俺達。

だがヤツの出現したと同時に

お坊さんはもうすでにうごいていた。

お互いの額にすばやく札みたいなのを

貼りその瞬間、まばゆい閃光がはしった。

だがヤツはその時何か呟いた。それを聞いた俺たち二人は絶句した…。

「!?」

再び静寂が訪れた。何か聞こえるの

ならば俺らの荒い息づかい。

よく見るとさっきまであった小屋は

どこにもなかったし、お坊さんとヤツの姿

も見あたらない。

あとから気づいたのだが、この

小屋はあの祠からさほど遠くない

所に位置していた。お坊さんがいってた

死ぬというのはこういうことか。

これでいつもと変わらぬ生活をおくれる

のか。友達は言った。

「これで全て終わったのかな?」

「ああ。何もかも全部な。でも、

なんだか後味悪いな。どうも不可解な事

だらけでふにおちねーことがあるんだ。」

そのことは友達も気づいていた。

それは今でも耳からはなれない。

そう、ヤツが最後に言い放つた言葉。

それは……。

「オワ ラセル キハナイ。」

帰り道、見上げる星空はどんより

曇っていた…。

怖い話投稿:ホラーテラー ????さん  

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