短編2
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伯父さん

友人から聞いた話。

ある女の人が、テレビで心霊特集を見ていました。

その内容は「霊感が無い人でも幽霊が見える方法」というもの。

ホラー好きなその女の人は、早速試してみることにしました。

部屋のドア、窓を全部閉める

部屋の中央に立って、目を閉じる

具体的な方法は忘れたけど、確かこんな感じだったはず…

10分…20分…

やっぱりこんなの冗談だよね…

その時、女の人の横を風がとおりぬけました

窓を閉めきっているから、風なんてとおらないはずなのに…

少々恐怖は感じたものの、その日は寝ることにしました。

暫く布団に入ってうとうとしていると、

足元に人がいる気配がしました

誰…?

目を凝らして見ると、それは先月から癌で入院中の伯父さんでした

不思議と恐怖は感じません。

さっきの方法は本当なんだ…!

だとしたら、生き霊…?

伯父さんはこっちを見ながら、

何かぶつぶつ呟いています

詳しくは聞きとれませんが、

「…って…お……っ…て」

と言っているようでした

おどって…って言ってるのかな?

その女の人は、小さい頃バレエをやっていて、

よく伯父さんに踊りを見せてあげていました。

ごめんね、伯父さん

小さい頃にやってから、今はもう踊れないの…

先の長くない伯父さんが、

せめて生きてる内にもう一度孫の踊ってる姿を見たかったのか…

勝手ながらそう思いました

しかし、伯父さんは消える気配もなく

さっきからぶつぶつと呟き続けたまま。

そして、段々とこっちに這って近づいてきます

何?なんて言ってるの…?

さすがに恐怖が湧いてきました

耳を凝らして聞いてみると

「…お…っれ…し………で…お…」

え?

少しづつですが、

聞き取れてきました

伯父さんは女の人の顔の前まで近付き

「俺のかわりに死んで俺のかわりに死んで俺のかわりに死んで俺のかわりに死んで俺のかわりに死んで俺のかわりに死んで俺のかわりに死んで俺のかわりに死んで俺のかわりに死んで俺のかわりに死」

怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん  

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