中編4
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生まれる前の夢

中学生の頃、私は、なんで産まれてきたのかと、世の中を恨んでいた。

私の家族は、少しだけ複雑だった事や、思春期だったせいもあって、人知れず悩んでいた。

人は、産まれる前に親を選んで生まれると聞いたことがあったので、なんで私は、この親を選んだのか、不明だった。

意味があるのなら、それはなぜか教えて欲しい。なぜ、この親を選んだのか教えて欲しいと、誰にとは関係なく、ただ問い掛けた。

そして、その日、ある夢をみた。

目を開けると、そこは、広大な青空…いや、雲の上だった。

夢か…。

目の前には、沢山の赤ちゃん?らしきものが一列に並び私もその長い列にいる。どうやら、私の姿も皆と同じらしい。そう認識すると同時に、雲の果て?に向かって私達は並んでおり、一人づつ落ちていっているのが見えた。

うわ!なに?と思ったが、あんなに長い列だったのに、もう私の番。横に黒っぽい意思を持ったものがいて私に尋ねた。どこにいくかを。

雲の下をみると、なぜか、2つ?の家族がみえた。

片方は、裕福であったけれど、孤独を学ばなければ行けない環境。片方は、まぁ普通の家庭、優しさを学べる環境。

どちらを選ぶ?

夢の私は、私であって私ではなかった。すべて知っていて、自分が求めているもの欠けているものを理解していた様子。

迷う事無く、後者を選んだ。これだ!って感じながら。

その瞬間、私は雲から落ちて行った。不思議とまったく怖くなかった。

雲から落ちて行く途中で目が覚めた。

朝だった。

私は、なるほど、と納得した。親は、いい人過ぎて、いつも、人に、騙されたりする。

私も、その被害を多少は、受けたりしたから、いつも親のいい人?ぶりに腹立たしい思いを抱いていたけれど、それは、私が選んで来たんだと思ったら、肝が座った。

それからは、なんで、この親を選んだのか疑問思わなくなった。

雲の上から、親をみたとき、もう一人?の私が感じた事が、綺麗な心で生きたいだった。

それから、少し経ったある日、また夢をみた。

ウォータースライダー?のような感じのところを滑る?私がいた。真っ暗でとにかく、めちゃくちゃこわかった。

恐怖がMAXに達した瞬間、突然目の前が明るくなり、眩しかった。

すると、もう一人の夢の中の私が、あ?どこでた?

うわ!あーまたぁ?また、やるの?(人生)めんどくさいなー!!って思った。

現実の私は、え?め…めんどくさいの??確かに、輪廻があるとしたら、また世の中にでて、死ぬまで懸命に、生きるのってめんどくさいっちゃぁ、めんどくさいけど。

仮にも、あんた、赤ちゃんだよね?って

思った瞬間、親らしき気配を感じたら、

もう一人の私が、あぁ。めんどくさい。って思ってた。

そこで目が覚めた。

私は、軽くショックを受けていた。だって、生まれた瞬間めんどくさいって、夢の欠けらもないし…。

これは、たぶん本当に夢だと言い聞かせ、以上のことは、3年間、誰にも言わなかった。

頭おかしいと思われるから。

でも…

でも、ある日を境に

夢じゃない?のかなと思うようになった。

私は、基本的に心霊現象は、ないと信じたいタイプ。

何度か見たり聞こえたりしたけど、すべて、気のせいと片付けていた。

あの日の夢も例外ではなく、たぶん脳ミソが勝手に、精神を落ち着ける為にみせてくれたものだと思っていた。

二十歳を過ぎた頃の話、あの日は夕食後、母とテレビをみていた。江○さんのオーラの泉をやっていたのは知っていてけど、普段あんまりみない私。

チャンネルをパチパチしてたら、オーラがやっていてなぜか、その日だけは気になってチャンネルを変えずにぼーっとみていた。

すると、ゲストの息子さん?男の子が、私のあの雲の夢と一緒の事を話ているではないか!

びっくりしすぎて、今まで封印していたが母に話した。まぁ、私もそんなに熱心ではないので、世の中に同じようなものみる人いるんだね。と締めようとしたら、母は、ぷくは、そういうのあるだろうねって、平然と言ったので、えぇ?って驚きを隠せないで突っ立っていると、江○さんが、生まれた瞬間の話をしだして、めんどくさいと思ったと言ったんです。

江○さんの言った事が、あり得ることならば、あの日みた夢は、生まれる前の記憶?

母の言葉も気になるし…とにかく不思議な体験でした。怖くなくてすみません。

怖い話投稿:ホラーテラー ぷっくさん  

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