中編4
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双頭の竜

福岡県民によるお話し。

福岡県民が嫌いな方は読まないでください。コメントしないでください。

友達から聞いた話です。

Aくんは3歳の時に両親は離婚。離婚後育児放棄した両親はAくんを祖母に預けて祖母に育てられました。

しかし、祖母はろくにゴハンを与えなかったりボロボロな服しか着せなかったりして愛情を注がなかったそうです。

しかも、親の写真すらないし顔さえ覚えていない状態だったので愛情の【あ】の字さえ知らなかった。。

Aくんには歳の離れた姉がいたそうだけど、姉さえもAくんに無関心だったそうです。

そんなAくんは、高校に行くことも許されず中学を卒業後 土建で働くようになりました。

Aくんは、地元じゃ有名な不良になり体格もでかいせいもあり友人と言えば悪ふざけしたりする不良ばかりだったそうです。

Aくんの口癖は

『お前のものは、俺のもの。俺のものは俺のもの』

というくらい自己中だったそうです。

そんなAくんが19歳のある日、仕事帰りにバイクに乗って帰っていると40歳前後の女性が横断歩道を走ってきたそうです。

避けようとしたAくんはバイクごと転倒し電柱に激突。女性は無傷だったそうです。

女性は、慌てて救急車を呼んで涙ながらに警察に事情聴取を受けたそうです。

骨折ですんだAくんは、ある大きな病院に入院。そこに、転倒の原因の女性が現れ涙ながらに謝ったそうだ。

そしてAくんは、その女性が横断歩道を走っていた理由を聞きました。

その女性は涙ながらに口を開いた。女性には一人息子がいて、交通事故にあい病院に運ばれたのでAくんが入院している、この病院に向かう途中だったそうです。

その息子さんは一時心拍停止になったそうです。でも今は意識もはっきりしており明日には普通の病棟に移動されると、母親は言った。

Aくんは、母親を知らなかったので 母親とはこんなにも息子のために一生懸命になれるんだって衝撃を受けたそうです。

そして次の日、息子さんがAくんと同じ病室になったそうです。最初はギクシャクしていたが、同じ19歳ということもあり時間がたつにつれてAくんと仲良くなったそうです。

完全に心を開いていた、Aくんは息子さん(Bくん)に自分には親がいないこと、今までどんな気持ちで生きてきたかなど洗いざらいAくんの全てを話したそうです。

Bくんは涙を流して、自分が今まで親に甘えてきたこと世の中の厳しさなどに耐えてきたAくんに感銘を受けたそうです。

もともと体の弱かったBくんは、Aくんのように逞しく生きよう…そう決意した…。

Bくんは、Aくんが退院する前の日に両親を病室に呼びAくんを家に住まわせてほしい…土下座して頼みこんだ。

今までのAくんの生きてきた道を説明した。優しいBくんの両親は、承諾した。

Aくんは、涙が止まらなかった。今まで家族は勿論、素直に全てを話したり受け止めてくれる人なんていなかったから…と、表の顔はそうだった。

裏の顔は、この家族は俺のものだと思っていた。

『お前のものは、俺のもの…』

Bくんの家は金持ちだと最初に知ったAくんは、態度を翻し裏切りに走っていた。

そうとも知らず、AくんとBくんの両親の生活が始まる。

Bくんは持病が治らずに、ずっと入院している間はAくんがBくんの家族を仕切った。

もう仕事をしなくてもいい…この家族は使える…

そんな日が1ヶ月過ぎたある日、Bくんの両親が朝早くにAくんを起こした。

どうも、廃車になったバイクの責任をとって新しいバイクを買うから朝ごはんを早く食べなさいということでした。

Aくんには願ってもないチャンス!朝ごはんを食べて服を着替えていると睡魔が…

気がつくと、見た覚えのある天井…そうここは最近まで入院していた病院だった。

意識は、はっきりしているが体が動かない…どういうことかわからずパニックになった。

そこへ白衣を着たBくんの父親が現れて口を開いた。

『この計画は、完璧なんだよA』呼び捨てだった。

『お前がいなくなっても、探すやつなんていないよな…フフ』

全てはBくん、その両親の策略だった。

バイクで転倒したのも…

Bくんの父親が経営する病院に入院するのも…

入院中に ある検査をするのも…

Bくんと同じ部屋にして仲良くさせるのも…

全ては緻密に計画されたものだった。

『さて、心臓移植の準備が整ったから行こうかB』Bくんの父親が笑いながら言う。

『おまえがBと双子の弟で良かったよ…Bの心臓と適合するんだから有り難く死ね。お前の父親は俺だから、お前の命をどう使おうが俺の自由だよな〜』

その時、Aの脳裏に幼い頃の記憶が蘇った。

『そうだ…俺は双子だった。幼い頃、いつも一緒にいて遊んでいたのはBだったのか…』

でも、今更遅い。

Aは、手術室に入った。

そして、先に手術室に入っていたBと隣り合わせに寝た。

Bを見ると笑っている。『良かったな、クズでも役に立つんだな…おまえのものは俺のものだ…そうだろ?』

そう言う横で麻酔医が何か作業をしていた…

そして、意識はなくなった。

Bは手術に成功した。

数ヶ月後、Bは退院した。

そして休学していた大学に行く日がきた。

大学は、遠いのでまた一人暮らしが始まる。

Bは玄関先まで見送りにきた両親に頭を下げた。

『お世話になりました。』

父親が『早く卒業して、いい医者になれ』と言う。

家の前まで来ていたタクシーのトランクに荷物を積みこみ後部座席に乗ったBは窓を開けて

『なぁ、親父…おまえの息子は俺のものだよなぁ?』

そう言い残し、家をあとにした。

怖い話投稿:ホラーテラー 福岡県民さん  

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