短編2
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白猫

最初にお断りしておきますが、私の話には幽霊も妖怪も出てきません。

しかも全然怖くないと思いますが、それでも構わない方だけ読んで下さい。

約15年前…

私は山陰地方で測量会社に勤務していました。

確か秋頃だったと思いますが…

県境近くに建設されるダムの立木調査を行いに先輩と二人で奥深い山へと入って行きました。

【立木調査】というのは、ダムや道路工事で失われる木の種類と直径を計り、土地の所有者に対して補償するための調査です。

その日も普段と変わりなく二手に分かれ仕事をしていました。

…木々の向こうに白い何かが見えました。

『…?』

気になって近寄って行くと…

それは白い猫の絵でした。

太い雑木の幹にベージュがかった白色で描かれた猫でした…

チョコンと座り込んだ姿なのですが、つり上がった大きな目…

威嚇する様に開いた口…

何とも言えない気味悪さを感じで全身に鳥肌が立ったのを憶えています。

こんな山奥の木に、一体誰が?

何の目的で?

まさか…

呪いとか…

祟りとか…?

色々な不安が頭を過り一旦はその木から離れました。

しかし、結局はその周辺の木も、白猫の描いてある木も調査をしないといけないわけで…

だんだんと他の木の調査をしながら近寄って行くと、変な感じがしてきました…

猫の絵は実にリアルです…

大きさは40cm位の絵だったと思いますが、耳も目も口も前足も後ろ足も尻尾も…

でもなんか変な…?

…ペンキじゃない…

白いペンキと思っていたのは、白い蘚(苔?)だったのです…

人が描いた物じゃない…

こんな物が自然に出来るのか…?

蘚がこんな風に生えるのか?

何故か物凄い恐怖に襲われ、先輩の所まで走って逃げました。

事情を話し、猫の絵?を見てきてもらいましたが『とにかく仕事は予定通り終わらせろ!』という事でした。

仕事が終わって、帰りの車内で私が猫の話をすると、『いいかげんにしろ!』みたいな感じで怒られたのを覚えています。

今となっては真相は分かりません。

何かの意味があって誰かが猫の形に蘚を張り付けたのかもしれませんし…

自然にそんな形に生えたのかもしれません。

そんな事もあるんでしょうね(笑)

つまらない文章を長々と書きまして失礼しました。

怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん  

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