短編2
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青いスーパーボール

叔父さんがボクに話してくれた話しなんですが。

昔その叔父さんは病気がちで、よく入院していたらしんですがその時のある夜の話です。

叔父さんがまだ小学生だったころひょんな事でひいてしまった風邪をこじらせて入院していました。

1週間程の入院だと親からきいていたらしいのですが入院して数日後のこと、寝ていると、ふと何者かの気配を感じたので辺りを見渡してみたけど誰も居ません。

気のせいかと思いましたが確実に自分以外の息をする音が聞こえるのです。やっぱりおかしいと思いベッドから降りてスリッパを履こうとしたその時、青いスーパーボールがベッドの下から転がって来たのです。

恐る恐るベッドの下を覗きこんでも何もありません。ただ名札が落ちていたそうです。柳原 求夢(やなぎはら もとむ)と…

その夜から退院するまでの間ど毎晩、青いスーパーボールが枕元に置かれていたそうです。

退院するまでその事を誰にも言わないでおこうと叔父さんしたらしいのですがどうしても名札にある柳原 求夢と言う名が気になってしまい、担当医にその名のことを尋ねたそうです。すると担当医は

「あぁ、君も求夢君に逢ったのかい?だから君は…」と言って口を閉ざしてしまいました。

それから数日、退院予定日を過ぎても一向に退院させてもらえず二ヶ月が過ぎました。もうスーパーボールはカゴから溢れでそうでした。

ある夜またあの時と同じ様に目を覚ますと自分と同じ年位の男の子が横に立っていたのです。びっくりしたらしいのですが何とも怖くはなかったそうです。その子は

「君は優しい子だ。僕の好きな青色のスーパーボール、捨てないでいてくれてありがとう。」

と言って消えたそうです。

次の日には青いスーパーボールはもう無くなっていました。

不思議に思っていると担当医がもう退院してもいいと言って、こんな事を話してくれたそうです。

「求夢君ってね、昔この病院の患者さんでね、君と同じ様に病気がちだったんだ。彼は友達が居なくていつも大好きな青色のスーパーボールで遊んでたんだ。青は優しい色だから好きなんだって。でも彼、ある日病状が悪化して死んでしまったんだ。その日以来青いスーパーボールが求夢君からもらえると病気が治るって言う噂がたってね?君、ボクに求夢君のこと教えてくれた日から病状がとても良くなったんだよ。本当はもう退院出来ない位重い病気だったんだけど。」

と。

忘れられない話といって話してくれました。

怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん  

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