短編2
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トンネル

僕が十九歳で、まだ若い頃の話です。

あの頃は、毎日のように友達の車に乗ってバカ騒ぎをしながら、心霊スポットを求めてドライブをしていました。

ある日、いつものように友達のA君とB君と僕の三人で心霊スポットに訪れた時の事です。

そこは地元では幽霊のでるトンネルとして有名な場所でしたが、まだ一度も幽霊を見た事のない僕達は、期待に胸を膨らませながらも幽霊の存在など信じていませんでした…

カーステレオからは激しいギターの音が鳴り響き、耳障りなロックが僕達を狂わせ、当時、流行りのスポーツカーでドリフトをしながら目的地の廃トンネルを探して爆走し、トンネルを発見するまで僕達は青春の歌を叫び続けていました。

「あれだー!!」

B君が叫びました。

僕達は問題のトンネルに辿りつき、すぐに変な汗をかいたのを覚えています。

「ここか…」

とても古いトンネルでした。なんともいえない寂れた雰囲気とオーラがあるトンネルで、廃墟に美しさと儚さを感じる僕としては、幽霊を見るよりも感動して満足していました。

「おい、行くぞ!!」

感傷的になっていた僕を無視してA君とB君は車を降りてトンネルへ向かいました。

僕は何故か、せつない気持ちで二人の後ろ姿を眺めて

「待ってくれー!!」

と叫びながら走り出しました。

すると、二人はトンネルに吸い込まれるように少しずつ消えてしまったのです。

「嘘だろ…、Aー!!Bー!!」

僕は何度も二人の名前を呼びましたが、返事はなく、二人はとうとう戻ってきませんでした。

僕は泣きながら

「これが幽霊のやり方か!!俺達が何をしたっていうんだ!!」

と怒りながらトンネルの方へ走っていきました。

トンネルの中は冷たい風が吹き、錆びた鉄の匂いと懐かしい土の匂いがしていて、なんだか涙を誘いましたが、僕は涙をこらえて歩き続けました。

「ギィィ~グゥィ~ォゥエアアア~!!」

奴らは奇声を発して突然現れました。物凄い死臭でボロボロの服を着たグロテスクな血塗れの腐乱死体が数えきれないほど現れたのです。

つづく

怖い話投稿:ホラーテラー やーさん  

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