短編1
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天井裏の世界

仲良しのクラスメートYが、1週間ほど学校を休んだ。

久しぶりに登校してきた彼に声をかけると、彼はこんな話を語りだした。

一週間前の晩、部屋のベッドに横になっていると、天井から一筋の光が差し込んでくるのに気付いた。

おかしいな、と思って天井板を外したが何も見えない。どうも気になるので、そのまま天井裏に上った。

そこは真っ暗だった。

しかし手探りで進んでいくと、やがてかすかに小さな光が見えてきた。

進むたびに光は大きくなってゆく。夢中で進んでいくと、それはどこかの街並みの風景だった。

そしてよく見ると、その街は僕らが住むこの街とそっくりだった。

学校や商店街、自分の家まである。Yはしばらくの間、街をさ迷い続けたそうだ。

そこまで話すとYは、がっくりと肩をおとした。

「それで、どうやって戻って来たの?」

僕が尋ねると、Yは、うつろな表情でこう答えた。

「実はまだ、戻ってきていないんだよ」

怖い話投稿:ホラーテラー まゆるさん  

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