短編2
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見ちゃダメ

私には不気味な物を見たり、聞いたりしてしまう癖?がある。

そんな私も引くくらいの憑依体質な姉が1人居る。

私が高校1年の時に友人と学校帰りに公園でダラダラとおしゃべりしていた。

その公園は遊具はブランコと鉄棒だけだが、面積は無駄に広くほとんど柏と銀杏の木が鬱蒼と茂っている。

その静けさが私達はお気に入りで恋愛話などで盛り上がっていたものだ。

いつもの様に話していると、急にお腹が痛くなった。

でも、公園のトイレは個室1つだけの小さい物でほとんど使われていない。

何より、暗くて陰気な感じで幽霊の噂もあるほどだ。

怖いけど…生理現象は抑えると良くない!って腹を決め トイレへ行こうと歩き出した時に…

携帯電話に姉から電話が。

お腹が痛いので無視……が何度も何度もかかってくる。

仕方なく電話に出る。

姉「あんた今、どこ??」

私「林公園…だけど?何?」

姉「トイレはダメだよ!早く家に帰りな!」

私「は?今、お腹痛いから〜」

姉「嫌!絶対にダメだよ!」

私「訳わからん…漏れる!!」

姉「すぐにみんな連れて出ろ!」

なんてやり取りのせいで便意はなくなり、とりあえず公園を後にした…

家に帰ると、姉は真っ青な顔で私に説明してくれた。

昼寝をしてた時に、私が小さな箱に入っていきそこで変色しながら死ぬ夢を見たそうだ。

姉いわく…あの場所は悪いのが渦巻いており、私みたいな隙のある女は引き込まれると。

ただの夢だろ…なんて呆れていた私は次の日には姉に感謝を込めてランチをご馳走する事になった。

夕刊にあの公園が載っていた。

朝早くに公園のトイレで首吊り自殺が発見されたのだ。

同じ高校の3年だという。

新聞によると、昨日の夕方以降に首を吊ったらしい………

私達も夕方5時くらいまで同じ公園にいた。

全身に…鳥肌が立った。

後で聞いた話だと、男子生徒はテストでカンニングをしたのがバレて担任に怒られた日の帰り道に、公園に行き自らの命を…

幽霊の仕業とは思いません。

ただ、心を闇が覆う時…自然と負のオーラが漂う場所に引き寄せられる事もあるのかな…

私達が公園に居れば、止めてあげられたかも…なんて落ち込んだ事もありました。

姉に、私が何とかできるような簡単な問題じゃないと言われました。

確かにそうですが…今でも思い出し、胸が痛くなる出来事です。

男子生徒のご冥福をお祈りしています。

怖い話投稿:ホラーテラー 坂道さん  

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