中編3
  • 表示切替
  • 使い方

ブランコ

今から9年前、私が高校2年の夏休みの時の話です。

その日は友人Aの家族が旅行で誰もいないという事で、A宅に私を含む3人(全員男)で泊まりに行きました。

部活帰りにご飯を食べて公園でだらだら話をしていると、時間は深夜の0時30分を過ぎようとしてました。

その時友人Bが、

「隣町のN公園に幽霊がでるらしいで。なんでもブランコが勝手に揺れてるねんて!見に行かん?」

と言い出しました。

私達は「風のせいやろー」と言ってましたが、

友人B

「いや、二つあるやつの片方しか揺れてないらしいで。いこーや」

ということで私達4人は自転車でN公園に向かいました。途中コンビニで袋詰めの塩を買って。。

30分程でN公園に着きました。深夜1時過ぎということで辺りはすっかり静まり返っていて無気味な雰囲気が漂っていました。問題のブランコ、、

揺れてる!!

しかも片方だけ!

風も吹いていない。

さすがに気味が悪いので帰ろうと言い合ってましたが、友人Bが

「俺ちょっと確かめてくるわ!」

と言い出しました。

私達は猛反対しましたが、友人Bは塩を持ってブランコの方へ駆け出して行きました。

ブランコの傍まで行くとおもむろに塩の袋を開け手で一握りし、ブランコに向かって投げ付けました。

ブランコに変化はなく揺れ続けています。友人Bは先程よりも多くの塩を取ってもう一度投げ付けました。

するとブランコが大きく揺れ出しました。驚いたBは何度もブランコに塩を投げ付けました。

7、8回投げ付けた後ブランコはゆっくりと動きを止め、そして完全に止まりました。Bは、

「幽霊やっつけたぞー!」と叫び私達に手を振りました。

その時、私達は異様なモノを見ていました。

「B早く戻ってこい!」

と大声で叫ぶものの、調子に乗ったBは、ブランコの板の上に盛り塩を作り出しました。その時、Bが顔を上げた時に私達が見ていた血まみれの女と目が合い、

「うわぁー」と叫び声を上げて、みんなで全速力でA宅へ向かいました。この時は誰も声をかけることもできませんでした。

しかし、本当の恐怖はこれからやってきました。

続きです。

友人A宅のマンションの前に着くと少し冷静になりました。

「さっきの何やったんやろ?」

「もしかしたら憑いてきてるんじゃない?」

という会話があり、家に入る前に全員に塩をかけて(特にBにはたっぷりと)玄関の前とベランダにも盛り塩をしました。

それからは暗い雰囲気のままでほとんど話もせず全員床に入りました。。

それからしばらく経った後ベランダの窓を

「ドンドン!ドンドン!!」という音が聞こえてきました。

周りを見ると張本人のBは爆睡!他の3人はお互いに目を合わせ震えていました。

窓を叩く音よりも窓を手で擦るような「キュキュ。ツーー」という音が恐怖心を増しました。

全く寝れないままいつのまにか朝を迎えていました。音はいつの間にか消えていました。ベランダの窓は手形と血の後でべったりしてました。

友人Bは爆睡中、Aは放心状態のためCと私で掃除をしました。

ベランダには長い髪の毛がびっしりでした。。

友人Aは、

「俺呪われたかなー?」と心細く囁いてました。

私は、

「呪われるんやったらBやろうから大丈夫やって」

などと言い自宅に帰りました。友人Bは、昨夜A宅で起きたことを信じようともしませんでした。

その日の午後の部活Aの姿はありませんでした。昨夜寝れなかったから寝過ごしたのかなーと思いメールだけ送っただけでした。

しかし、次の日もAは部活に姿を現しませんでした。電話をしても繋がりません。そこで、私と友人CでA宅へ向かいました。

A宅へ着くとAの母親が対応してくれましたが、体調不良でしばらく部活を休むとのこと。

それから夏休みが明けるまでAは一度も姿を現しませんでした。新学期が始まってまもなくAが転校していったことを聞きました。

それから問題のBにもCにも私にも何も変わったことはありませんでした。そういえば、あの日Aは、

「俺あの女と目が合っちゃって、そしたらニャァって微笑まれた。」

と言ってました。

Aはあれからどうしているのか見当も付きません。その後、深夜の公園には近づけません。。。

怖い話投稿:ホラーテラー チャーリーさん  

Concrete
コメント怖い
00
  • コメント
  • 作者の作品
  • タグ