短編2
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川に棲むモノ

私は色々と幼少からおかしなモノを見てきました。

北海道の下〇町に親戚のおじちゃんとおばちゃんが住んでいます。

小学6年の夏休みに1週間ほど滞在した時の事…

近くに大きな川が流れていて、私はそこで遊んでいました。

姉と私はアメンボを捕まえたり、川魚を網で追いかけ…夕方まで夢中で遊びました。

幅が5m以上もある川の向こう岸から視線を感じました。

姉は私より早く気付いたらしく、水面を睨みつけています。

姉の視線を辿ると…川から何かが出ていました。

子供の膝まで位しかない川の水面に…びしょ濡れで紫っぽい色をした女の人の顔…!!

目から上だけを出して、私達をジーっと見ています。

どんなにじっくり見ても、女の目から下は見えませんでした。

姉は私の手首を掴み、

「あいつ!引っ張る気だよ」

って怒って言うと、川から私を連れだしました。

相変わらず女は見ています。

陸に上がり、姉は水際のギリギリの所でずっと女を睨み続けていました。

少しすると一瞬だけ煙みたいな白いモヤが出て…

女は消えました。

あんなに怖かった姉は普段通りの優しい姉に戻り、2人で家に戻りました。

大人になってから、その話を姉にした時

「あそこで多分溺れた子供いるけど…全部あいつのせいだ…」

って悔しそうな悲しそうな複雑な顔をしていました。

姉には、あの川で引き込まれた子供も何人か見えていたそうです。

怖い話投稿:ホラーテラー 坂道さん  

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