短編2
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生死の狭間

うちの母が実際に体験した話です。

うちの母は、地元ではかなり名の通った人で、皆に頼りにされるような本当にパワフルな母でした。

そんな母が倒れたのが、僕が五歳の時でした。うっすらと救急車に乗ったときの記憶があります。

母は脳の病気を患い、手術をしても成功確率は20%にも満たないと医者から宣告されました。

そんな意識が無くなった母は、夢のようなものを見たと言います。

よくお花畑を見たという話を聞くことがありますが、実際母は、辺り一面綺麗な花に囲まれたお花畑にいたそうです。

周りにはいろんな人がいて、今までの人生で関わってきた人、全く知らない人、テレビで見たあこがれの人と様々だったそうですが、何故か僕たち家族は誰もいなかったそうです。

みんなに手招きされて、行ってみようかと思うも不安が拭えず立ち往生してた矢先、一台の列車が目の前で止まりました。行き先は「○○○行き(私たち家族の名字)」と書いており、運転手は父でした。迷わず乗ったそうです。中には私たち家族が乗っており、その列車は深い森を抜け、光が射し込んだ瞬間・・・・・・・・目が覚めたそうです。

気付けばベッドの上、泣きじゃくる僕と安心した父や兄。母に残った痛々しい手術の跡。

本当に生きててよかった。父は何度もそうつぶやいていました。

しかし、それから後遺症としてうつ病になり、ここからが本当に大変な日々でした。

今ではだいぶ落ち着きましたが、「なんでこんなになってしまったんかな?昔はこんなんじゃなかったのよ?何も出来ないね。ごめんね。」

と、いつも僕に言います。

何も出来てない?感謝しても感謝しても足りないくらい、僕はあなたからたくさんの愛情をもらったから、今こうして立派な大人になったんだよ?

沢山親孝行もします、面倒な仕事だって文句言わず頑張ります・・・・・・

だから、孫の顔を見るまで生きてて下さい母さん。

ありがとうございました。

怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん  

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