大学時代に知り合った友人の話です。
彼はお洒落でイケメン、色んな遊びを知ってる奴で、
田舎の全寮生の高校から出て来た俺にとって、正にお手本とするべき存在だった。
お洒落の「お」の字も知らなかった俺を大学デビューさせてくれた。
名前をAにしときます。
A「カラオケいこーぜ!」
俺「え〜?歌なんか歌えないよ」
A「ばっか、だから練習するんだろ!」
…こんな感じで彼は色んな事を教えてくれました。
俺「かっけ〜!その髪型なんてヤツ!?」
A「ミックスパーマだよ!お前髪の毛いじらいの?」
俺「俺は似合わね〜よ」
A「今いじらないで、いつやるんだよ!こいって!」
…腕の良い美容師を紹介してくれたな。床屋以外で切ったの初めてだったよ。
……。
なんでこんな事になっちまったんだろうな。
…ぉ…ぃ
俺「おい!A!!」
A「っんだよ!うるせーな」
俺「女癖悪いのあれほど治せって言っただろ!」
俺「何考えてんだよ!お前の悪い噂めちゃくちゃ流れてるぞ!」
A「ウゼー…お前も帰れよ!」
…結局、最後まで治らなかったなアイツ。
プルルル…
ただいま電話に出る事が〜
〜メッセージをどうぞ
ピー!
俺「A…大学にも来ないで何やってんだ…電話くらい出ろよ…」
俺「お前の彼女な…一人で堕したぞ…」
俺「後な…他にも3人くらいお前の子だっていう女から相談受けた…」
俺「…これ聞いたらすぐに連絡をくれ」
…お前は逃げたよな。何もかもから。気持ちは分かるよ。
だけど俺はお前の味方なんだ…
…翌日、俺はAの部屋で彼が首を吊っている所を発見した。
…薄れいく意識の中
鏡の中で安らかな顔をしているAがいた…
わかってるよ…
これで良かったんだろ
俺は静かに目を閉じた…
…お前の味方だからな
怖い話投稿:ホラーテラー 店員さん
作者怖話