あの、昔なんかたまにねふとしたときに思い出す時って誰もあると思うんですよ。
そんなとき思い出すとなんかふしーぎなことってよくありますよね。
今回はそんなお話なんです。
この物語の主人公は低学年のケンくんだ。
‐ケンくんはある日
学校から帰ってくるやいなやパッパッと靴を脱いで自分の部屋に向かおうとしたときふいに台所で夕飯の支度をしていたお母さんに呼び止められた。
『ケンちゃんただいま忘れてるわよ、それとかなちゃん来てるわよ、もう20分も前から待ってるわよ。』
ケンくんが言う。
『かなちゃん?だーれそれ?知らないよ。』
そうケンくんが言うとお母さんが言う。
『なーに言ってるの、ばかなこと言ってないでお部屋に行っておいで待ってるから。』
そう言われたケンくんは訝しがりながらもとりあえず部屋に向かった。
ガチャリ、
ドアを開けるとそこにはだーれもいない。
なんだ、いないじゃないかとケンくんはやっぱりなといったような顔でお母さんのいる台所へ向かう。
『ママ、やっぱりかなちゃんなんていないよ、何かのジョーダンでしょ?』
そういうとお母さんは驚いた顔で言う。
『ママをからかっちゃだめよ、ケンくんの後ろにいるじゃない。ねえ、かなちゃん』
そういうとケンくんは後ろを振り返った。
あ!
そこにはケンくんと同じか少し年下の女の子が恥ずかしそうにもじもじしながら引き戸の端に手をかけこちらを見ていた。
ケンくんは知らないはずなのになぜか懐かしさで胸がいっぱいになった。
『それじゃ何かして遊ぼうか。』
ケンくんは自分でもびっくりしてしまうほどとっさに出た言葉に首をひねるが、言ってしまった言葉を今更引っ込めるのもあれなのでケンくんはかなちゃんと呼ばれたその女の子の手を引き部屋に行く。
何時間か遊んだあと
急に口数の少ないかなちゃんは何かを思い出したように立ち上がりこう言う。
『あたち、もう帰る。』
あ、そぉう?
ケンくんが聞くとかなちゃんはコクリとうなずいた。
そして幾日かかなちゃんとケンくんは遊んではかなちゃんが同じ時間になると帰るといった交流が続いた。
ただ不思議に土日とお父さんがいる日は遊びには来なかった。
きまってケンくんが学校の日でなおかつ父親がいない日にかぎりかなちゃんは来た。
いつもじゃあねと言いかなちゃんはどこへともなく玄関を出、姿を消す。
そんな交流がもう2ヶ月は続いただろうというある日の夕方の4時前後
怖い話投稿:ホラーテラー 丑三つ時さん
作者怖話