中編4
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隣人は密かに笑う

久しぶりに投稿します。

あまり恐くないのですが、みなさんの身近なとこでも起きうる話をします。

今回は、ある人物が友人に話した内容です。

信憑性は、どうかわかりませんが友人は事実だろ…と語りました。

ある人物を【僕】とします。

僕は昔レオパレスに住んでました。ま、色々と事情があり…タクシーを使い越してきました。

時間は夜中。

荷物はカバン1つだったので、寒い冬のその日はありったけの服を着て寝ました。

それから5日間は職探しが多忙だった為、布団を買いに行くこともできず

5日間テレビもつけずに携帯をいじる静かな毎日でした。

そして休日。

布団や台所用品などを買いに行き、ついでにお隣りさんに菓子折りを買い挨拶しに行きました。

『すみません!』ピンポン

誰もいないようです。

ちなみに、僕は端っこの部屋なんで隣は1つだけ。

『あれ…さっきテレビの音が聞こえた気がしたけど…』

夕方には時々、隣から男性の声とテレビの音が聞こえていたので…

んー出ない。居留守かも…

ま、いいや。部屋に戻りお隣りさんに手紙を書きました。

つい最近、越してきた7号室の○○です。

つまらないものですが、食べてください。失礼します。

と、書いて菓子折りの袋に入れドアのぶにかけました。

次の日、朝早く職探しで部屋を出ると30代のぼっちゃりした身長の低い男性があちらから歩いてきていた。

狭い通路を、『おはようございます』と軽く会釈したが相手は挨拶もせず素通りした。

挨拶が苦手な人や、付き合いが苦手な人もいるしな…

と、特に気にはしなかった。

しかし、6号室前にその男性がピタッと足を止めてドアのぶにかかる袋を眺めていた。

あ、隣人さんかな?…ちゃんと挨拶しなきゃな…でもバスの時間が…しかたない、帰ったら挨拶いこう。

そう思い、職探しにむかった。

そして、夕方に帰ってきたら6号室には菓子折りの袋がぶら下がっていなかったた。

あ、もらってくれたんだ!よかった!と、嬉しかった。

その夜20時、まだ僕は友達と電話で話ていた。

友人『隣の人、どんな人だろねー』

なんて話をしていると…

ドン!

と6号室から何かが落ちる鈍い音がした。そして数分後…

カリカリカリ…

窓を爪で引っかくような音がしたような気がした。しかし、気配や物音が夕方からしないので6号室の住人はいないようだったのだが…

カリカリカリ…

やっぱり気のせいじゃない。6号室に誰かがいる。窓を爪で引っかく音だ…

おそらく、ペットか何かか?でもペット禁止だしな…と、7号室のベランダをゆっくり開けた。

僕『…なんかさ…隣の人がいないと思ってたんやけど…誰かいるみたいったい…。』

友人『あ、そうなん??息を潜めていたんかな(笑)』

それはそれで恐い。

ベランダから隣のベランダを、ゆっくり見た。電気が消えていてよくわからない。

しかも、磨りガラスだしカーテンはしてある…カーテンが動いた!

やっぱり誰かいる。

カリカリカリ…

磨りガラスの下の方に肌色の物体が見えた。夜中なので、はっきりは見えない。

とりあえず、寒かったので部屋に戻り耳を壁につけてみた。

友人『もしもーし!』電話口から声が漏れる。

僕『ごめん!またかける!』と電話を切る。

隣から音は聞こえない…いや

ズリズリ…

なんかが、這う音が聞こえる…

と同時にドアを閉める音が聞こえた。

バタン…

ギシッ ギシッ

足音が聞こえるのだが部屋内を、行ったり来たりしている。

ピンポン!

と、7号室の自分の部屋のチャイムが鳴った。背筋が凍る。鳥肌が立ち、一歩が踏み出せない。

誰だろ…まだ友達数人しか住所を教えていないし…来るなら連絡するはずだし…。

ピンポン

またチャイムが鳴った。

玄関のドア前にようやく着き、ドアの穴から覗く。

そこには、見知らぬ女性が立っていた。髪はショートで、結構かわいい女の子だった。

しかし、恐る恐る鍵を外しドアを開けた…

女『あ、すみません!6号室のものですが…お菓子ありがとうございました。』

と、挨拶された。

イマイチ状況が飲み込めなかった。

僕『す、すみません。今、部屋にいました?』

女性『いいえ?今、仕事から帰ってきたんですよ。どうしてですか?』

僕『いや…さっきから6号室から音が聞こえますよ…』

女性『え?嘘!』

僕『ペット飼ってるんすか?』

女性『いえ…飼ってないです。』

僕『部屋に誰かいますよ…30代の男性と同居してます?』

女性『誰ですか?同居してないし彼氏もいないし…』

女性は急に声のトーンが下がった。

僕『僕の部屋の壁に耳を当ててみます?誰かいますよ…』

女性『…そ、そうですね…』

僕『ベランダから何か見えたし…警察に連絡する前に僕が間違いだと、あなたにも警察にも悪いし…』

女性『恐いですね…おじゃましてもいいですか?』

僕『どうぞ』

女性は、7号室に入った。

そして僕は笑みを浮かべながらドアを閉めて鍵を閉めた。

僕『コーヒー飲みます?外、寒かったでしょ?』とコーヒーの中に睡眠薬を入れた。

そもそも、初対面の人間…しかも異性となれば関係を築く壁は厚い。しかし、恐怖に感じることがあれば自分を擁護する人間には初対面でも心を許す隙ができる。

そこに壁はない。

無防備な女性の行動こそ、みんなに気をつけてほしい。

女性『なんか…眠…い…』

バタッ

僕は、眠った女性が好きです。だって抵抗しないから。

怖い話投稿:ホラーテラー 福岡県民さん  

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