短編2
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居てくれてよかった

※文章が拙いです。すみません。

友人Eの家族は、Eを含めて皆

「拾ってきてしまう」体質らしい。

ただし、良いモノ限定、動物が多い。

「食費かかるよ~」と苦笑するE。

冷蔵庫から、肉や魚、油揚げが消えるという。

乾物では鰹節も。

「鬱陶しいけどいい奴らだよ。鬱陶しいが

 7割くらいだけど」

でも、一度だけ、その鬱陶しい奴らに

「居てくれてよかった」と感謝したことが

あるらしい。

Eは、父母と妹とEの4人家族。

数年前、Eは夜中に目を覚ました。

「…なんか来た」

良くないモノだ、とわかったらしい。

それは、部屋のある二階へ向かってくる。

携帯が鳴った。着信は、隣部屋の妹から。

「おねっ、お姉ちゃん、なんか、きたっ!」

軽くパニックになった妹をなだめるE。

けれど、そんな余裕がないことは、Eが

一番わかっていた。

Eの部屋にはってあるお札。それが

ゆっくりと黒ずんでくる。

(…ヤバいかも…)

Eが唇を噛みしめたとき、

ギャンギャンギャン!!ギャーゴオオ

怒り狂ったような獸の声がした。

そして、こちらにむかっていたモノが

逃げ出すのを感じた。

朝まで一睡もせずに過ごし、日が高く

なってから恐る恐る部屋を出て下へ行くと

人がこちらへ来ようとして引き返した

ような足跡と、それを追いかけるような

動物の足跡が、床一面についていた。

「…よかったぁ……」

その時ばかりは、家族とともに、

家に居てくれたモノに感謝したという。

「あれ一回きりだけどね」

今Eの家には、ネズミらしきモノが居て、

カボチャや芋をかじられて

困っていると言っていた。

怖い話投稿:ホラーテラー 翔さん  

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