短編2
  • 表示切替
  • 使い方

龍神様

私の実家は超ド田舎。田んぼに囲まれ少ないご近所さんはほとんど親戚。

親戚っていうか本家と別家の関係なんだけど、私の家が本家なの。んで、ある別家の子供達が数年前から精神病になったり自殺未遂おこしたりしてたわけ。

別家の子供達とはあんまり絡まなかったけど、あの時のあの子達は普通じゃなかった。

特に目が。

虚ろな、でも見開いてるの。

別家のおばさんは子供達を病院に連れていったりカウンセラーを呼んだりしてたけど全然ダメだった。

それで、藁にも縋る思いで霊能者の所に子供達を連れて行って、みてもらったんだって。そしたら霊能者の方に、

1、これは龍神様の祟りであること。

2、祟りの原因は本家にあること。

3、本家には姉妹がいること。その姉妹が本来受けるべき祟りを身代わりに受けていること。

この3つを言われたらしい。

確かに私は妹と二人姉妹だ。そんなこと霊能者が知るはずないし、田舎には龍神様を奉る風習がある。

そういえば、私の実家も祖母が亡くなるまではちゃんと奉ってた。なんか紙棚みたいなのがあった。別家の子供達がおかしくなったのも、祖母が亡くなってしばらくしてだ。つまり本家が奉りをサボってる事に龍神様はお怒りだと。

というわけで、別家のおばさんは「頼むから龍神様を奉ってくれ!」って鬼のような形相で家に来た。

父さんと母さんは面倒がりながらも、おばさんの気迫に押されて祠みたいなヤツを建てたんだ。毎日お供え物もしてるよ。

そしたら別家の子供達も、完治とはいかないまでも社会復帰したみたい。やっぱ地元の神様は大事にしないとね。

お話はこれで終わり。

なんかオチが弱くてゴメン。

でも本当の話だよ。

あと、別家の子供達が何故、私達本家の姉妹の身代わりになってしまったのかは分からないんだって。

怖い話投稿:ホラーテラー 越路さん  

Concrete
コメント怖い
00
  • コメント
  • 作者の作品
  • タグ