短編2
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A君のうわさ

 小学生の頃の話、私にはA君というクラスメートがいた。彼は奔放で教師からは問題児のように扱われていたが、みんなからは面白いやつと思われていた。

 そんな彼がある日こんなうわさを持ってきた。

「○○にある廃墟にはそこで自殺した会社員の幽霊が出るらしい。」

 私はすぐに否定した。なぜなら、その廃墟とは私の家の裏にある、塾の跡地(廃墟という程荒れてはない)であり、誰かが自殺をしたなど聞いたことがなかったからだ。

 そこでA君は嘘かどうかみんなで確かめると言い出した。深夜零時、廃墟の駐車場に集合、怒らないよう親にはないしょという計画だった。

 私は参加することにした。夜の肝試し、それも親にないしょという所が、当時の私にはとても魅力的に感じられた。

 さて、夜遅く、家族の目を盗むことに成功したはいいが、残念なことに集合場所には3人しか集まらなかった。他のみんなはこっそり家を抜け出せなかったようだ。

   ただ、言いだしっぺのA君も来ていない…。

 どうしたのだろうと思ったが、目の前にある廃墟が怖くなってきた私達は

中にすら入らず解散してしまった。

   その後、A君が学校に来ることはなかった。

 あの日の夜、家を抜け出したA君は、廃墟に向かう途中、車に轢かれた…轢逃げだったらしい。

 A君のうわさが本当だったのかは確かめないままとなった。

 だが、事件のあった次の日から新しいうわさが流れ始めた。それは今でも語られているらしい。

「深夜零時、○○にある廃墟の駐車場に行くと、少年が1人、ぽつんと立っているんだって……いつまでも…いつまでも…」

怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん  

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