短編2
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七里岩の廃墟

山梨県N市の廃病院にまつわる話です。

山梨では有名な七里岩という長い長い岩があります。数億年前(?)に八ヶ岳が噴火し、それにともない溶岩流が山麓から約28km南まで押し寄せ固まったことから七里岩の名が付けられました。

七里岩含むN市には全国的に有名な心霊スポットである新府城址がありますが、今回紹介するのはあまり知られていない心霊スポットです。

高2の時に若い男性家庭教師Jさんから聞いた体験談です。

当時高校生だったJさんは根っからの心霊好きで、夜な夜なバイクで友人達と色々な心霊スポットや廃墟を回っていました。

ある日、Jさんは友人から「七里岩の森ん中に廃墟見つけたから今夜遊び行こうぜ!」と誘われました。

Jさんの友人の中に研ぎ澄まされた霊感の持ち主がいました。その友人は夜遊びの度に幽霊レーダー役として嫌々駆り出されていました。この夜もその友人を強制的に連れて、Jさん含む高校生集団は七里岩へ向かいました。

夏の夜、田圃道を騒音と共にバイクで高校生集団は走っていきます。

噂の廃墟への道標は「墓」「古い鳥居」「林道」この3つでした。

外灯が一切無い細道を、道標を確認しながら注意深く向かいます。

案内役の友人が「多分ここらへんじゃね?」とバイクを止めて指さしたのは、木々が鬱蒼と茂り、七里岩の淡い茶の岩肌が見える何もない場所でした。

「この森ん中かき分けてけば廃墟あるらしいよ!」と言って、霊感持ちの友人に「何か感じる?」と問います。

「何か‥何か重い。俺こん中入れない」とブツブツ言って霊感持ちの友人は集団の隅に隠れてしまいました。

「コイツが言うならやばくない?」と周りは言いますが、そこで帰っては来た意味が無いとJさんや案内役らは思いました。

「ならいいよ俺行くから」案内役の友人が夜露で濡れた草木をかき分けてズンズン森の中に進んでいきました。

「おーい!廃墟あったよ」と案内役の声がしました。もう一人の友人が廃墟を目指し、草木をかき分け進んでいきました。

廃墟は民家程度のサイズで全面コンクリート。窓は割られ、木々が入口を完全に塞いでいます。

「はいレポートしろレポート!」周りの友人がはやし立て、2人は廃墟のレポートを始めました。

「まず窓覗いて!何見える?」とみんな興味津々に聞きます。しかし霊感持ちの友人が急に頭痛を訴え、Jさんはどこかいつもにない胸騒ぎを感じました。

2に続く

怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん  

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