昨年4月、私の彼の親友が交通事故で亡くなりました。
訃報を聞き、慌てて部活を終えて私は学校を飛び出しました。
向かった先は彼の家。
夜道を全力で走りました。
家に着いた頃、彼は布団に死んだように倒れ、ただただ涙を流していました。
声をあげて泣く彼を、私はただ抱きしめてやることしか出来ませんでした。
今からお話しするのは、亡くなった彼の親友にまつわる話です。
親友G君は友達も多く、明るい性格だったそうです。当時は工業高校3年で、バイクが大好きだったそうです。
そんなG君にその春彼女ができました。仲が良いカップルでした。
1ヵ月記念日の前日、G君たちはデートし、プリクラに書きました。
「ずっと一緒」と。
翌日、1ヵ月記念日の夕方でした。
G君は交通事故で亡くなりました。
最愛の人を亡くした彼女さん、最高の仲間を失った学校の友人、そして家族。
突然の訃報に何がなんだかわからなくなりました。
ついさっきまでいたのに今はいない‥。
あまりに急すぎる‥。
あいつは死んでなんかない‥。
周りはG君の死を決して認めませんでした。
でもG君はもういないのです。
約束したばっかじゃん。
「ずっと一緒」って‥。
2日後、家庭の事情により他県でG君の葬儀が執り行われました。
参列したのは家族、親しかった友人、そしてG君を誰よりも愛していた彼女さん。
後に骨壷を胸に抱いて、彼女さんと友人たちは近くの海に行きました。
「G君見てる?一緒に海来れたね‥ねえ」
彼女さんは大粒の涙を流しました。
静かな海でした。
2へ続く
怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん
作者怖話