短編2
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呪毒③

寺に着いたのは真夜中だった。

多分午前一時くらいだろう。

小屋から2キロくらいの所にある寺は真っ暗に静まり返っていた。

俺とBは彼女を抱えてここまでくるのにヘトヘトだったが、寺に着くと安心感からか少し元気が出てきた。

俺は彼女をBにまかせ、寺の玄関に走った。そして、真っ暗な玄関をドンドンと叩き大声で言った。

「小屋に入ったら友達が笑い出して止まらないんだ!誰か助けてください!」

すると玄関の明かりがパッと光り、玄関のドアが開いた。

と、思った瞬間バカデカイ怒鳴り声が響いた。

「お前!小屋って神社の小屋か!なんて事をしたんだ!」

住職らしき男が玄関の前で血相を変えて俺を睨んでいた…

「お前!友達を早く連れてこい!」

住職らしき男にそう言われ、俺は走ってB達を呼びに行った。

B達の所へ行くと彼女はまだ笑っていた…

さっきよりも苦しそうだ。

「住職が早く連れてこいだってよ!」

俺とBが彼女を担いで走ろうとすると、おろおろしていたA一緒になって彼女を支えた。

そして彼女に向かって

「ごめんよ…ごめんよ…」

と呟いていた…

住職の所まで行くと、住職はもう正装のような格好をしていた。

そして彼女を本堂のある方まで運べと指示した。

本堂にある銅像の前に彼女を置くと、住職はお経を唱えはじめた。

お経を唱えてしばらくすると彼女の笑い声はようやく治まったのだ。

住職は俺達の方を向いて話だした。

「あの小屋へ入ったんだな…全く、なんてことをしたんだ…おそらくこの娘は、一生子供が生めない体になった…その前に意識が回復するかとうかも俺には分からん…」

そしてあの小屋の話を俺達に聞かせてくれた。

次で最後です。

続く

怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん  

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