短編2
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動かなくなりました

奥さん「昨日から今まで動いていたクマのぬいぐるみが動かなくなったんです」

精神科医「奥さん、クマのぬいぐるみは最初から動きませんよ」

奥さん「だから私何が原因だろうって中を開けたんです。そしたら内臓が全部綿になってしまってたんですね」

精神科医「奥さん。最初から綿が入ってるんですよ。それで良いんです」

奥さん「だから私そこら辺の猫を殺して、内臓をクマのぬいぐるみに移植したんです」

精神科医「むやみに動物を殺してはいけませんよ奥さん。」

奥さん「でも動かなくて…」

精神科医「奥さん…それはそうですよ…」

待合室

夫「妻はどうですか?」

「いえ、やはりまだ大部精神を病んでいるようです。お子さんを亡くしてから、あのクマのぬいぐるみを自分の子供のように思っているのでしょうね」

夫「…そうですか。私も何度も注意したんです。カラスの内臓をクマのぬいぐるみに入れても息子はかえってこないと」

精神科医「ええ…」

夫「人間を生き返らせるには人間の内臓が必要なんですよね」

精神科医「え?ちょっと、いけませんよ?何をやっても息子さんは生き返りませんよ?」

夫「…なんでそんな酷いこと言うんですか?」

精神科医「酷いことってあなたねぇ…それじゃまるで」

夫「妻は狂ってしまっているんです」

精神科医「いえ、あなたも…」

夫「これは僕ら夫婦の問題ですから…」

帰宅後

看護婦「先生、警察に連絡した方が良いのでは?殺人をほのめかしているように私には聞こえました」

精神科医「手遅れにならないうちにか…確か昔、『人間の血を飲めば病気が治る』みたいなデマを信じてる奴らがいたな」

看護婦「…あの夫婦に同じ空気を感じます」

3日後、病院内にて

奥さん「みんな死ねよ!てめえらどうせ私の子供が死んでざまぁみろって思ってんだろ!自分らだけ幸せ幸せでムカつくんだよ糞が」

精神科医「奥さん、落ち着いて下さい。病院内で暴れないで!旦那さんも止めて下さい!」

夫「………」

グサッ

精神科医「うっ……」

病院内部の人々「いやぁあああああ……」

警察にて

警察官1「何?病院内で精神科医が患者に刺された?!」

警察官2「犯人はナイフを持ってたてこもっている模様、さらに犯人は袋のようなものを携帯しています。もしかしたら地下鉄サリン事件のような……?」

警察官1「ばかな……。そんなガスをどこから!」

病院内部にて

夫「私達は前らの幸せが憎い」

奥さん「死ね」

怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん  

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