はじめまして。
私は某ガソリンスタンドをまかされているんですが、職場で体験した怖かったことをひとつ。
ある常連のお客様でN様という方がいらっしゃいました。
N様のお車は車検や洗車、整備など当店に全てまかせて頂いておりました。
夏の暑い日でした。
いつものようにご来店いただき給油、洗車をご注文いただき、店内でお待ちの間。
「そういえば車の周りからなんかにおいがするんだよ。店長悪いけど後でみててくれないか?」
「わかりました。では点検も兼ねてみておきますね」
洗車が終わり私が点検の為にボンネットを開けた瞬間、むわぁ〜っと明らかに何かの腐ったにおいが鼻をつきました。
(うわぁ〜…、絶対動物だよ…きついなぁ…)
スタンドで長く働いている方ならわかると思いますが、車のボンネット内はわりと隙間があり時々、動物が下回りから浸入し中でまきこまれている事があります。
今回もどうやらそれのようで、N様にご報告後すぐに捜索、洗浄となりました。
捜索しているとエンジンの下のカバーに挟まるでもなく、ちょこんとネズミ(7センチ位)の死体がありそれからにおいがしていました。
N様に報告したところ
「なんでそんなとこにはいりこむのかね〜…。とりあえず出してもらっていい?」
との事で下回りのカバーを開け無事救出(死体ですが…)しました。
ひっぱりだされたネズミを見て、
「かわいそうだな…どっかうめてやるとこないかな?」
とN様が仰られたので裏の駐車場にうめてあげて二人で手をあわせました。
それからしばらくたったころ、
「また中でなにか死んでるかも…」
とN様が相談してきました。
点検してみたら案の定前回と同じ場所でネズミが死んでいました。
(N様もついていないなぁ…)
と思いながら今回もまたうめてやり手をあわせました。
その後半年の間に7回も同じ事があり、その度に私とN様は同じ事をしていました。
しかし7回目にはさすがにおかしいとお互い思い、車を普段とめている場所を調べたりもしましたが特段変わった事もありませんでした。
そんなことがありなんとかならないかと思っていた矢先に、住職をされている別のお客様に相談をしました。
「はじめに死んでいたネズミにたいして手厚く葬った事でその霊がもしかしたら死期のちかいものをよんでいるのかもしれない。」
「それは悪意などで呼んでいるのではなく、救ってほしいという感覚だろう。」
「ただその思いは次々に連鎖していく。そうなったらどうなるかはわからない」
と教えられました。
どうするべきなのか私が伺うと、
「一度思いが染み付いてしまったものはなかなかもとの状態にはもどらない。もしそんな思いに呼ばれたものにたいして今までと違う事をすれば今度は悪意のある連鎖がうまれるかもしれない。できるのであれば車をかえた方がいい。」
といわれました。
私は迷いましたがN様に、聞いた話を伝えました。
「善意でした事がなんでダメなんだ。だから宗教は嫌いなんだよ。まあ車をかえるのは考えていた事だから構わないけど。」
と宗教にたいして憤慨していらっしゃいました。
その後N様は当店で新古車の購入をされました。
納車の際に
「またあんな事があったら今まで通りにしようと思うんだ。店長もつきあってくれるよな?」
私はそんなN様が嫌いではないので快く返事をしましたが、あんな事がそもそも起きない事を願っています。
つい先日N様ののりかえてから初めての車検がおわりました。
今のとこなにもないので安心している日々です。
善意、よかれとおもってしたことが裏目にでる。
なんだか納得できない事ですが皆さんならどうされますか?
ちなみに当店では一年に4、5回はそんな動物絡みの巻き込み事案があります。
皆さんにも十分起こりえることですので考えておくといいかもしれません。
怖い話投稿:ホラーテラー スタンドさんさん
作者怖話