中編2
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憂鬱な悪魔の事情

俺は急に呼び出され、久しぶりに人間界へと赴いた。

ここ300年程音沙汰無しだったもんだから、俺のテンションも上がっていた。

『わーはっはっはっはー!!

俺様を呼び出したのは お前かぁ!』

「そうだよ。」

目の前にいたのは 12歳くらいの子供だった。

『お、お前か!?俺様を呼び出したのは!』

「だから そうだってば。」

300年待って ガキに呼び出されるとは…。

そこはほら、美女って相場は決まってるっつうかさ〜。

『…俺様を呼び出したお前!

一つだけ願いを叶えてやろう。

そのかわり、お前の魂は』

「あ、魂ってさ、僕の死後だよね?

生きてるうちにじゃないよね?」

『…死後だ。お前が死んだら その時点で魂は俺様のモノだ。お前の魂は、地獄にて永遠の苦しみを味わう事になるだろう!

それでも良いなら 願いを…』

「あ、僕さ 死後の世界とか信じてないし。

だから全然OK!」

死後は信じていないのに、悪魔は信じるのか?

「本に書いてある通りに魔法陣書いたら、マジ出て来るし。ウケル〜!」

……時々 意味がわからない言葉があるが…馬鹿にされているような……

「あのさ、まさかとは思うけど わざと寿命縮めたりしないよね?

事故に合わせたり、病気にしたりさ〜?」

『そんな事しなくとも 人間の命は短い。少し待てばいいだけだからな。

それより、願い事はなんだ?』

「叶える願い事を三つにして!」

『……は?』

「だから〜。叶える願いを三つに増やす、っていうのが 僕の願い!」

それは、言っちゃいけない お約束だろうが!!

そんな事言ったら 願い事の数なんていくらでも増えちまうだろ!

たった300年で、こんな常識知らずが生まれてきてるのか?人間界は!

『願い事は一つと決まっている…』

「え〜?悪魔って意外と使えないな〜。」

なんだと!このガキ!

いっちょ前に、本格的な魔法陣なんて書きやがってからに…!

……ん? その時、あるものを 俺の目がとらえた。

魔法陣に置いてある イモリの黒焼き…よく見たら、ゴムの作り物じゃないか!

まさか!

魔法陣を触ってみると、それは血ではなく 赤い絵の具だった。

あれも!これも!

見てみれば すべて偽物だ!

一体いつから、こんなデタラメがまかり通るようになったんだ?

俺は 子供が持っていた本を引ったくり読んでみた。題名は…

『良い子の黒魔術』

俺は魔界へとんで帰り、1436回目の天使転職試験の準備を始めたのだった…。

「なぁ、昨日 悪魔の呼び出し成功したの?」

「成功したよ!ちゃんと悪魔出てきたし。」

「マジで!?すげ〜!」

「でも願い事は 叶えてもらえなかった。」

「え?なんで?」

「なんか急に、もうヤダ!って 泣きながら消えちゃったんだよね〜。」

怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん  

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