短編2
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死神6

死神5の続きです

―――――――――――――――

『いつ見ても、何回見てもこの時の人間は滑稽だ!

大の大人がだらしなく、泣きわめきながら助けをもとめる!

さぁ早く続きをしないと時間がありませんよ?』

泣きながら木曽はナイフを拾う

そして腹に刺す

「う゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛」

血が床をぬらし、意識がなくなる…

そして目が覚める

“死神”が微笑ながら言う

『あと4回』

段々と木曽から表情がなくなっていった

最初は泣きながらやっていたのが

目が覚める

無言でナイフを拾い、

無言でナイフを腹に刺す…

その繰り返し

同じ動作を繰り返すそれは、まるで機械のようだった

その様子を坂本は楽しそうに見ていた

本当に楽しそうに…

6回目に意識を失い、目が覚めた時…

木曽はうっすら笑いながら言った

「へへ…どうだ死神?ナイフは終わったぞ?…」

『いやお見事です…正直驚きました』

「あとは溺死一回だな?それをやれば俺は転生できるんだよな?」

『もちろんでございます』

時間を確認する…

あと三時間以上ある…

「よし…。早く終わらせてやるこんなこと。ほら、ちゃっちゃと頼む」

坂本が指を鳴らすと、部屋に水の入った浴槽があらわれた

「…よし!」

死ぬのに気合いを入れる…

というのも変だが、自分に気合いを入れ、顔を水に沈める

ダメだ苦しい!!

「っっぷはぁ、はぁ、はぁ、はぁ…」

もう一度!!

やっぱり駄目だ!!

「っガハッ、はぁ、ゴホっ、がぁ、はぁ、はぁ…」

できない!

勝手に体がういてしまう!

こんなことできるのか!?

『顔出しちゃ駄目じゃないですか』

坂本が言う

「うるせぇっっ!それができたら苦労しねぇよ!!黙ってろお前は!!」

その後、何回もやってはみるが、

何回やっても結果は同じだ

最後には顔を出してしまう

木曽は座りこんでしまった

『いいんですか?死ななくて』

「時間内にやればいいんだろ?黙ってろ…」

そう言ったものの、何も解決策はない

ちくしょう…

あの女が大人しくナイフで殺られてりゃよかったんだ…

続く

怖い話投稿:ホラーテラー なかよしさん  

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