中編3
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アカイクツ

読みづらいと思いますが、お付き合い下さい。

私の友人Kが体験した話を聞いて恐かったので、お話したいと思います。

友人Kの家族は母・祖母(霊媒師)・兄2人そしてKと、父以外は強い霊感を持っており、現在家には3体の霊がいると言う…

長男の部屋の隅に女1体、廊下や家中を徘徊する男が1体、Kの部屋には長髪の女1体がいるそうです。

2体は突然出てきておどかしたりと悪さをするものの、霊障や害のない霊。

問題なのがKの部屋にいる女の霊…

前説が長くなってしまいましたが、Kと女の出会いにまつわるお話をしたいと思います。

当時学生だったK、9月下旬の少し肌寒い風が漂う夜11時頃…

アルバイト先から、電車→家までの道のりを徒歩で帰宅している時だった。

薄暗い街灯の下に長髪の女が立っていたんだ…

Kはすぐにわかったそうです。

一見人間とも思える程はっきりとした霊体…相当な念を持った魂を揺さぶる程邪悪なモノだと…

霊との遭遇は慣れてはいたものの、隙を見せてはいけないと気を引き閉め無心になり、女の存在に気付いていない様に過ぎる為、真っ直ぐ前を向き足を進めていました。

女に近付くにつれ、俯きながら何かをブツブツと言っている声が聞こえてきたそうです。

「ワタシ…ア……ク…ガナイ。ワタシノア…イク…カ……テ」

真横にさしかかった時です……

「ワタシノアカイクツカエシテ」

…はっきり聞こえたそうです。と同時にKの横に、泣き叫びながら来たそうです。

Kは下を向き恐る恐る女の足元を見た…爪は所々が剥がれ落ちた痛々しい血まみれの素足だった。

女はKに言い続ける。「ワタシノアカイクツカエシテ……アカイクツ…カエシテ……カエセ」

次第に自由を奪われ硬直…

女はKの目の前に立ち、「アカイクツカエシテ」とニタっと笑いながらいってきた。女の目は瞳孔が開ききっており黒目が下を向き、口は裂け唇からはみ出る程の真っ赤な口紅をしていたそうです。

このままではもっていかれると思ったKは心の中で、「これは私の靴であなたの靴じゃない!!お願いだから離して!!あなたを助けてあげる事は出来ない」と念じ続けたそうです。

しばらくして金縛りは解けたが、女はまだいる。

これ以上は危険だと、Kは時々後ろを振り返りながら家路を急いだ。

女は追っては来ず、その場に立ち止まったままでいた為、無事帰る事が出来た。

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数日が経ち、久々のバイト帰り、あの女遭遇してしまう事を恐れ、兄から迎えに来てもらう事にしたそうです。

何もなく無事家に着いたのですが、部屋に帰って思わず悲鳴を上げたそうです。

あの女がKの部屋の中の窓際で笑った顔をして立っていたそうです!!

前文で言い忘れてしまっていましたが、Kが女に遭遇した日Kは赤いパンプスを履いていたんです…

翌日家族でご飯を食べている時に、女の事を知らないはずの祖母が「厄介モノを連れて来たなぁ~」と言ってきたそうです。

祖母によれば、その女は死んだ事に気付いておらず、赤い靴を探し続けていると。

そして、探していた赤い靴をKが奪ったんだと勘違いし、Kに寄って来た事を。

後日談です。

女が家に現れる事が増え、Kは体調不良になり、身の危険を察した祖母の手により、その女は成仏させたそうです。

Kは今までで一番辛い体験だったと言ってました。

誤字脱字で申し訳ありません。以上で終わります

怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん  

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