短編2
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お客さん

バイト帰りの話。

バイトが終わり、その日はいつもと違う道を歩き、当時住んでいた下宿へ向かった。

狭く、灯りが薄暗い中道を通る人は少ない。GW明けというのもあるだろう。

そんな事を考えていたと思う。

お客さーん!

遠くから声がする。

客と店のやり取りだろうか。

お客さーん!

お客さーん。

声が徐々に近づいてくる。

俺のことかな?

振り返るが、誰もいない。

1本向こうの、本通りでの話が聞こえてるんだろう。

再び歩こうとした。

おきゃーくさん!

と、後ろから肩をポンと叩かれた。

不意を突かれ多少ドキッとしたが、仕事柄よく呼び子には声をかけられるので、このような対処には慣れていた。

すいません。私○○で働い…

振り返り様に話したが、途中で止めた。

辺りを見渡しても誰1人いないからだ。

数歩進み、これはおかしい。と思い

もう一度振り返ろうとした時。

肩をガッと掴まれ、無理矢理後ろを向かされた。

おーきゃーくさん。

全身、赤黒く焼けただれた半裸の女性がそこにいた。

髪は縮れ、目はあるのか無いのか分からない程、窪んでいた。

私は、「う゛ぉ!」とか奇妙な声を上げ、その場から逃げ出した。

私はパニック状態で走ると、真っ直ぐしか走れないということが分かった。

しばらく走ると、まだ営業している立駐を見つけ、急いで駆け込んだ。

小部屋に居るオジサンに、しどろもどろ事情を説明すると、納得した様子で部屋に入れてくれた。

結局、営業終了までお世話になり、そこからタクシーで帰る事にした。

明け方、オジサンとの別れ際に、上着はクリーニングに出せ。と言われた。

下宿に帰ってから、スーツの上着を見ると、両肩に茶色い油のような手形がベットリついていた。

その2日後、私はバイト代で安物のスーツと、気持ちばかりの花を準備して、バイト先へ向かった。

最後まで読んで頂きありがとうございます。

乱文申し訳ございません。

内容の不可解な部分に関しては、どうかご容赦願います。

怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん  

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