初投稿ではないですけれど、誤字脱字があったら申し訳ございません。
真夏のある日、少女は遊びの帰りに後ろからついてくる気配に気が付いた。
はじめの頃は気にも留めなかったが、人通りの少なくなった一軒家のみが立ち並
ぶ道に来ても、尚ついてくる気配に不審を感じた。
曲がり角にあるオレンジ色の柱に取りつけられている鏡を使い少女は自分の背後
を確認した。
すると自分から2m程後ろから、涼しそうな白いワンピースを着た女性が居た。
少女はとっさに後ろを振り返り確認したが、そこには誰一人居なかった。
少女はまた歩き出し、携帯電話を確認する振りをして軽く画面を反射させ後ろを
確認した。するとまた先程の女性が佇んで居た。
恐怖とパニックで少女は走って家に帰り扉の鍵を素早く閉めた。
その後も少女は中庭側の窓と戸以外は全て閉めきり、祖母に相談した。
祖母は玄関にある靴箱の上の日本人形の腕に鈴の付いたリボンを着けて
「たとえ貴方にそいつが来ても、この人形が守ってくれる。そいつが来ても、こ
の鈴が鳴ったらその人形が貴方を守りに来た合図だよ。だから心配いらない。」
祖母は優し気な声で少女を落ち着かせた。
その夜、少女は自分の部屋の布団の中でまるまり、不安で押し潰されそうだった
。
中庭に面する窓以外は閉めたが入ってきたらどうしよう?
しかし、祖母の言った『この人形が守ってくれる。』という言葉で心を落ち着か
せていた。
少女がうとうとしていると廊下の方から
ギシッギシギシッギシ……。
という音が聴こえてきた。
それも彼女の部屋の中から。少女は布団の隙間からそっと部屋の中を確認すると
目の前に裸足の足と共に、白い布がチラリと見えた。
恐怖で少女は一瞬固まったが、少しずつ近づいてくるそいつに気付き、少しでも距離を空けようと布団から這い出て、枕を盾にして後ずさった。
枕を顔の前にして俯いている少女には足元しか見えない。
するとだんだん近づく足が見えてきた。しかし後ずさろうとも後ろには壁があり、少女は壁とそいつに挟まれる状態になってしまった。
すると、すぐ間近まで迫った途端、耳元から
「つかまえたぁ……。」
と女の声が聞えた。
なすすべが無く震えていると、廊下の方向から
ちりん、ちりん、ちりぃん。
と鈴の音が聞えてきた。
それは祖母が人形に着けていたのと同じ音色がした。
その音が戸の前まで来ると、襖が『スッ…』と開き
「離れなさい!」
と静かながら凛としたそれこそ鈴の音の様な女の子の声が響いた。
途端に間近にある気配が遠のいて行く感覚があった。
ほっとした拍子に眠ってゆく少女の意識の中には、先程追い払ってくれた女の子の声で
「貴方は私が守るから。」
という声が聞えた。
少女が朝目覚めた時、夜に寝てしまった場所に居た。しかし、少女には掛け布団が掛けてあり、少女の傍らにはあの人形が少女を守るかのように、鈴を手に着け佇んでいた。
駄文失礼しました。
怖い話投稿:ホラーテラー 花たまごさん
作者怖話