中編3
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深夜の国道で

これは俺が大学生の時のお話です。

夏休みになり俺たちは男4人でキャンプ旅行をしていました。

ちょっとお金持ちの友人が車を出し、全員の荷物とキャンプ道具を積み込みます。

車で3日間の旅行です。

海水浴場やオートキャンプ場でテントを貼り、馬鹿な話や花火などして盛り上がっていました。

2日目の夜です。

次の目的地へ車で向かう途中、運転手のAが変なルートを選びました。

俺「おい!遠回りだろ?」

残りのBとCも賛成しました。

いくらなんでも遠回りすぎる。ちゃんとしたルートでいこうと。

Aは渋りましたが、最短ルートを走らせました。

目的地までの国道を走っていると、どんどん辺りは暗くなり、とうとう夜になっていました。

俺たちの車は真っ暗闇の田舎道を走っています。

国道に明かりは無く、たまにすれ違う対向車と俺たちの車のライトだけが道を照らしていました。

俺「おいおい、まだ着かないのか?」

B「さっきみた青看だと、この道で間違いないと思うけど」

そんな会話をしていると、国道に霧がでてきました。

「すげー濃い霧だ!」

全員が車の前方を見ていました。

すると・・・

「人だああああああ!」

キキキイイイイー!

車の前に女性が飛び出してきました。

車は急停止。

俺たちは車から飛び降り、女性を確認しました。

が、いません。

俺とBとCで辺りを見渡しました。

C「絶対に人だったよ」

俺「女性だよな・・」

するとBが何かを発見し、俺たちを呼びました。

Aは運転席で放心状態です。

B「これ見てみろよ」

Bが見つけたのは「花束」でした。

どうやらここは死亡事故の現場だったようです。

背筋に冷たいものを感じた俺たちは、すぐに車に乗り込みAに出発するように伝えました。

Aは真っ青な顔をしながら、車を走らせます。

俺たちはAの精神状態を考慮して、全員で前方に神経を尖らせていました。

車がしばらく進むと・・・

俺「・・・?」

B「・・?」

C「!」

前方左側にさっき飛び出してきた「女」が立っていました。

C[無視だ!そのまま走れ!」

Aは真っ青な顔でアクセルを踏み込みます。

その「女」の横を通り過ぎた時です。

全員が「女」の顔を見てしまいました。

黒く長い髪の毛は、お風呂からあがったばかりの様に血で濡れています。

髪の隙間からこちらを睨みつけていました。

A「うわあああああ!」

B「やばいやばいって!」

俺「逃げろ!飛ばせ!」

車はどんどん加速していきます。

Cは後ろは凝視していました。

C「追いかけてこないぞ!」

次の瞬間Bが叫びます!

B「またいるぞ!」

再び前方左側に「女」が立っています!

俺「絶対車を止めるな!」

A「ああああああ!」

…ライトが照らし出す

…暗闇

…女

…暗闇

…女

…暗闇

…女

俺たちの恐怖は限界に近づいていました。

…ドン!

A「なにか轢いた!?」

B「なんか踏んだ!」

俺「車を止めるな!」

C「絶対幽霊だって!」

・・・ドン!

A「また!」

B「前には何もいなかったぞ!」

俺「いいから走らせろ!」

ドン!

ドン!

ドン!

車が「何か」を次々と轢いていきました。

全員「あああああああ!」

発狂寸前のA・・・

すると前方に明かりが見えました。

コンビニです。

駐車場に車を停車させ、俺たちは車から逃げ出しました。

俺は真っ先にコンビニに入ると、続いてBとCもコンビニに逃げ込んできました。

俺「はぁはぁ・・・Aは?」

B「はぁはぁ・・・?」

C「はぁはぁ・・あれ」

駐車場を見ると、Aが再び車を発進させています!

俺「あいつ!一人で!」

B「ちょ・・見ろ!」

C「・・・うわ!」

三人とも無言で凍りつきました。

助手席に・・・

さっきの「女」が乗っていたんです。

俺たちはチビる寸前だったので、コンビニでトイレを借りました。

トイレの貼り紙には

・・・・・・・・・

-ひき逃げ事件発生-

 -目撃情報求む-

  -被害女性-

    顔

    写

    真

・・・・・・・・・

俺たちは再び戦慄しました。

それはあの「女」だったんです。

その後・・・・

来た道を逆走して行ったAは

ひき逃げ現場付近で

単独事故を起こし・・

帰らぬ人となりました。

あの「女」はAにひき逃げされたのでしょうか?

今となってはわかりません

怖い話投稿:ホラーテラー 天気さん  

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