中編3
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姪の発狂

ある日、今日夜子供の面倒をみてほしいと、姉から連絡があった。

場所は実家。父は小さい子の世話なんかできないし、むしろ父の世話もお願いしたいとのことで、私は承諾した。姉は母と出掛けてくるらしい。

私自身に霊感の類はないが、オカルト好きな私。テレビやサイト、映画は好んで見ている。その日も見たいテレビがあった。子供向けの有名ホラー特番。

姪の遊び相手をしながら、テレビを見る。さして怖くはない。まあ、子供向けだからしかたがないか、と眺めていた。

きゃっきゃっと遊んでいた姪が静かになったので見てみると、ジーと何か一点を見つめているようだ。

はじめはテレビかな?と思い、あまりテレビを近くで見ないように、テレビから距離をとり、抱えてだっこする形で二人で観賞していた。

あまりにも真剣に見ている。私は、何がそんなに気に入ったのか不思議に思いながらも「まばたきまばたきぱちぱちして」と、まばたきを促そうと姪の顔を覗きこむ。

すると、視線はテレビではないことに気が付いた。

テレビの後ろ。ベランダに続く窓。窓はあき、編み戸になっている。

突然、姪が泣き出した。

あやしても、なだめても泣き止む気配もなく、わんわん泣き、しかし視線は窓から離さない。目を見開いて、泣いている。

次第に尋常ではない位に大声になり、身体も痙攣しはじめた。

具合が悪い感じでもなかったのにどうしたのかと、原因を考えつつ、父と車で救急病院へ行くことに。

車に乗せると、次第に落ち着き、痙攣もとまった。姉に電話し事情を説明するも、姉にも心当たりはないという。念のため、診察を受けるも、熱もないし、異常は見つからず帰宅することに。その頃には、お菓子をせがむほどに姪は元気だった。

家につき、姪と廊下を歩き、テレビのあるリビングに入ると、また姪は泣き出してしまった。

私の足にしがみつき、今度を顔をふせ、目をつむり、泣いている。

私はだっこして、あやしながら、理由を尋ねるも、何も教えてくれない。

どうしたもんかと、思っているとベランダの窓が開けっ放しのままになっていたので、姪をかかえながら施錠しに行く。すると、姪が「じじいなくなっちゃった」と言う。涙もとまり、きょとんとしながらベランダを覗いている。

「じじ?じじはもうねてるよ。じじいなくなっちゃったと思った?」

「ちがう。じじじゃなくて、いっぱいじじとばばがここにいた」

はて。話がみえない。

姪の話を辛抱強くきくと、姪が泣いていた理由を話してくれた。

私とテレビを見てると、ベランダにおじさんとおばさんが沢山いたそうだ。

最初は何してるんだろう?と見ていたらしいのだが、次第に一人づつこちらを見はじめ、全員が姪の方を見るころには、ゆっくりと部屋に入ってきたという。

それがとても怖くて泣いていたらしい。

帰ってきて泣いていたのは思い出したからで、今はじじとばばはいなくなっているとのこと。

もちろん私にはそのように記憶はない。お約束のようにここは2階。

姉が帰宅し、事情を報告すると、困ったように「またか」とつぶやいた。どうやらこういった不可思議なことが結構あるらしい。

一人で楽しそうに会話してたり、いきなり「くるなあ!」と叫びだしたり。おやつのお皿を自分ともう一個用意したり。

子供には見えるという話はよくあるが、本当かもしれないと思った事件。

怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん  

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