中編3
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もうやめて

これは私が幼稚園の頃ですので、20年以上前の話になります。

曾祖母が危篤でそろそろヤバイという事になり、家族親戚一同で青森まで行く事になりました。

田舎の家で二階は一部屋しかないのですがとても大きく、曾祖母ともなるので知らない親戚も沢山居て、不謹慎ですが幼い私はなんだか楽しんでいました。

座布団が何十枚も置いてある部屋で、初めて会う親戚や従兄弟らとキャッキャとはしゃいでいると、大人達はまだ曾祖母が亡くなってもいないのに遺産の話になり揉めだしました。

声も大きくなり、あーやだなあーなんて思っていると大人達が話している真後ろにある仏壇の遺影が「バタンッ!」と急に大きな音をたてて倒れました。

それまで騒いでた子供達も、家事や手伝いをしていた大人達や遺産で揉めてた人、何十人の話し声も動きもピタッと止まり、シーンと静寂に包まれました。

すると一人のおばさんが「まだ亡くなってもないのにこんな話はやめましょう。おばあちゃんも怒っているのよ…」と言うと、周りも遺影が倒れた事にビックリしたのか納得し遺産の話は終了しました。

今のはなんだったんだろうね?なんて皆で話していると今度は、カタカタッと音がすると一気にガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタッ!!と家の窓という窓が一斉に物凄く揺れだしました、明らかに風の揺れではないのは皆分かりました、青ざめる一同、私の父が外に見に行くと案の定風なんてまったく吹いてないよとの事、また父はこんな事を言いました…

「これ…外に出てる荷物って、もしかしておばあちゃんの…?」

そうです、まだ亡くなってもいない曾祖母の荷物を誰かが不謹慎にも外に出してしまっていたのです。

なんでこんな事するんだよ!と誰かが言うと皆で荷物を中に運び、その後は皆おとなしくなり何事もなく1日は終わりました。

何日か過ぎ、私達家族は帰る事になり母が二階に荷物をまとめに行くと部屋の電気がつかないらしく、電球切れてるよーと降りておばさんに言うと、「そんな事ないわよ、昨日替えたばっかりだよ」と言うと二人黙ってしまいました。

二人で二階に上がり、紐を引くもやっぱりつきません。するとおばさんが「おばあちゃん…つけて」とポツリと言うとあっけなく電気がつきました。二人は複雑な顔をして降りてきました。

曾祖母が一番可愛がってた叔父さんも帰るらしく、ついでに駅まで送ってくれるとの事で、家の前に停めてある軽の白いワンボックスに乗ろうとしました。

叔父さんが首を傾げながらガチャガチャ何かしています。皆でどうしたのー?と近くに行くと叔父さんの顔が真っ青になっていました。

もう一度どうしたの?と聞くと、叔父さんは無言でドアの鍵を回しました。昔のドアの脇に親指大のロックがあがるやつです。

一瞬ロックが上がるとすぐにガチャッと下がりました。えっ?と思い叔父さんを見ると「俺は閉めてない、勝手に閉まるんだ…」と言いました。

目の前で見ました、勝手にロックが下がるのを何回も何回も、もう何が起きてるのか分からなくなりました。するとおばさんが「おばあちゃんもうやめてーーーっ!」と泣き叫ぶとガチャッとロックが上がりそれ以降下がる事はありませんでした。

そのまま無言で帰路についたのですが、その日の内に青森から「叔父さんが心臓発作で亡くなった、曾祖母も同じ時刻に息を引き取った」と電話がきて両親は青森にとんぼ返りになりました。

その時誰かが言ったみたいです「おばあちゃんが一番可愛がってた叔父さん連れて行っちゃったんだよ。あの日おばあちゃんの病室の窓が10センチ開いてたんだ」

怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん  

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