短編2
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廃墟で…

廃墟探索家の私がゴーストタウンになった炭鉱の町を一人で探索した時のお話です。

若い女性が一人で廃墟に入る事が危険だと理解はしていましたが、私はある寂れた廃墟の美しい炭鉱住宅に入って炭鉱が栄えていた頃の生活を眺めながら満足していました。

ふと、視線のようなものを感じ、振り向くとボロボロの壁にどうやって出来たのか、大きな黒い染みがありました。

私は吸い込まれるような恐怖を感じながらも、その黒い染みから目が離せませんでした。

それが、だんだん男性の身体のように見えてきたのです。

私は恐怖を感じながらも、なぜか変な気持ちになり、恥ずかしい話ですが、少し興奮したような胸をわしづかみされたような感覚を味わい、深い溜め息をつきながらも、じっとその黒い染みを虚ろな目で見つめていました。

すると、黒かったはずの染みが茶色くなり、やがて肌色になる瞬間に、はっきりと裸の男性の身体が見えました。

顔もはっきりと見えてきて、ニヤニヤと笑っているようでした。

男の血走った左目が瞬きをしたその瞬間、私は眩暈がして倒れ込み金縛りに…

そのまま気を失って、その男性に犯される夢?を見ました。

何度も何度も、無理矢理カビ臭い男に私は抱かれました。

だんだん痛くて頭がおかしくなりそうで、私は叫びました。

「モウーヤメテー!!」

気がつくと金縛りが解け、私はなぜか裸になっていて胸には手形のアザが二つ出来ていました…

壁の方を見ると、あの大きな黒い染みは消えていましたが、私はその場で泣きくずれました。

その後、何度か真実を確かめたくて、その廃墟に友達と足を運びましたが、あの男性が現れることはありませんでした。

きっと、あの男性は炭坑事故で亡くなった独身の炭坑夫で、成仏出来ずに女性を求めてさまよっていたのだと思います。

かわいそうな話だとは思いますが、私の胸の痣はまだ、うっすらと残っています…

怖い話投稿:ホラーテラー 鈴さん  

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