短編2
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死んでも読みたい

俺は霊感が人より強いらしく、これまでも何度か霊に遭遇してきた。

怖い思いをした事もあったし、助けられた事もあった。

この話しは 俺と二ヶ月程一緒に過ごした霊の話しだ…。

その日俺が仕事から帰ると、部屋のすみに何かがいる事に気がついた。

姿はあまりはっきりしないが、中学生くらいの男の子だとわかった。

嫌な感じはしない。

害もなさそうだし別にいいか、と思い 普通に飯を食い風呂に入り、寝る前に 今日買ってきた〇ャンプを読もうとテーブルの上に置いて、台所に行きビールとつまみを持って戻ってきた。

すると、部屋のすみにいた男の子がテーブルの近くに移動し、雑誌をじっと見つめている。

俺は気にせずにソファに寝転がると、雑誌を手にとり読みはじめた。

男の子はいつの間にか、ソファと壁の間でしゃがみ込んでいる。

ちょうど 俺の後ろから、雑誌を覗くような格好だ。

(……これを読みたいのか?)

いくら害がなさそうでも、そんな至近距離にいられると落ち着いて読めるわけがない。

俺は頭の向きを逆にし、再び雑誌を読みはじめた。

すると霊も慌てて移動してくる。

仕方ないな…。俺は諦めてそのまま雑誌を読む事にした。

男の子は特にナ〇トが好きらしく、そのページになると身を乗り出してきた。

そして なかなか次のページをめくらせてくれない。

俺の読むスピードが早過ぎるようで、突然前のページに戻したりする。

少しうざったい感じはしたが、そんなに読みたいならと 俺はそのままにしておいた。

一通り読み終わった頃には、男の子は消えていなくなっていた。

しかしそれからというもの、ジャ〇プの発売日になると男の子は現れるようになった。

そして一緒に読む。

俺もなんとなく、男の子が読みやすいように態勢を変えたりするようになっていた。

ある日仕事場の友達と行った遊園地で、ジャン〇のショップがある事に気がついた俺は 〇ルトの額あてをお土産に買って帰った。

あの子は喜ぶだろうか…。

しかし、男の子はジャン〇の発売日になっても現れなかった。

次の週も、その次の週も。

カレンダーを見た俺は、ある事に気がついた。

「四十九日が終わったのか…」

俺は今も、ナル〇はゆっくり読む癖がついてしまっている。

怖い話投稿:ホラーテラー 雀さん  

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