短編2
  • 表示切替
  • 使い方

山道の怪

宴会コンパニオンをやっていた時でした。

片道1時間半かけて何台かの送迎車で市外の温泉ホテルへ毎日派遣されていました。

その日も深夜2時ぐらいに勤務が終わり、送迎のワゴン車に揺られ、メンバーは運転手と女の子7人ぐらいかな?満席の中、私は真ん中ぐらいに乗っていました。

温泉街から15分も抜けると既に真っ暗な山道。

みんな携帯をいじったり、暗い窓の外を眺めたりしていました。

車は山道で結構なスピードで走っていました。

そんな中「あれっ?!」っと言って、

運転手が車を急に停めました。

運転手は「今、ガードレールにアロハ着た兄ちゃん携帯で話て座ってたよな?」と言い、

女の子の中でも目撃したコもいて、

「うん居たよね、あの服〇〇ホテルのウェイターかなぁ?」

なんて話になり、対向車も後続車もいない真っ暗な中、猛スピードでバックした。

ブーーンッ

発見してから結構走ったのでロングバック。

民家も何も無い山中で、徒歩では時間帯にしてもおかしい話とは思ったけど、私もキョロキョロしてた時。

私が「あっっ!!いた!!」

と言ったと同時に、運転手もビビって急ブレーキ。

停まったその場所には。

お地蔵様が立っていました…。

間違い無く人だと思ったので車を停めさせたのですが。

「うわお前ーっ!これ地蔵様だろーがっ、変なとこで停めるなよぉ」

とは言われても数十秒の間で、どこかに隠れる場所も誰かが車に乗せたも無く、私も居たと思っただけにビビりました。

結局、何だったんだろねー?とかワイワイ騒いで走り続け、やっと小さな町まで抜けた頃に、後部座席に座っていた女の子が、

「みんな騒いでいたさっきの現場から、私の後ろのハッチに、しばらくおっきな顔が張り付いていて声も出せなかった」

と言いました。

携帯片手に今風な幽霊もいるんだな…

と言う体験でした…。

怖い話投稿:ホラーテラー 杏仁豆腐さん  

Concrete
コメント怖い
00
  • コメント
  • 作者の作品
  • タグ