短編2
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呪い回し

ネットの某掲示板に

「呪われたい人募集」

こんなスレッドがあった。

「旅行で香港に行ったときに、連れてきてしまったらしい。こいつは呪いだ。俺にはもう耐えられない。身代わりを探している。」

「とにかく不幸が次から次にやってくる」

「代わってくれる人は名乗り出てくれ」

こんな内容だ。具体的に何が起こるとは何も書いていない。

そのスレッドが立てられてからすぐ、

「阿呆クサ」

「俺が呪ってやるよ」

「うっ殺される~」

ふざけた書き込みが多数。しかしその中にいくつか

「呪えるもんなら呪って」

「呪われたいわぁ~」

「はいはい呪え呪え」

呪われ希望者もいた。

一週間すると、

「呪ってくれよ!!何も起こりましぇ~ん」

呪われ希望者はさらに増えていた。

書き込みは100件を超え、呪われ希望者は約半数を占めた。

「な?面白いだろ?」

心理学専攻のAが、そのスレッドを見せてくれた。

「普通、呪ってくれ、だなんて言うか?二人に一人は呪って欲しいんだと」

このスレッドを立てたのは他でもないA本人だ。

「ネットじゃ顔も見えない、性別も住所もわからない。何とでも言えるんだ」

「もし俺がやつれて今にも死にそうな顔して『俺の代わりに呪われてくれ』って言ったらどうする?」

もちろんNOだ。

しかし、わざわざこんな実験しなくても、結果は予想できたのではないか。

「実証したことに意味があるんだ。こんなとき人間はこうでした、とな」

これは大学のレポートなのかAに尋ねると、首を横に振った。

「趣味だよ、趣味」

さぁ次はどんな実験をしようか、と、Aはとても楽しそうだった。

怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん  

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