短編2
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ビリビリ神社

オレが京都に住んでた頃のはなし。

京都の南の方に、地元の若者からビリビリ神社って呼ばれてる神社があるんやけど、先輩達に連れられて訳も分からずその神社に行った。(ちなみに夜ね)

それは、普通の住宅街の一角にあって、見た目も雰囲気も普通の神社。(霊感がない所為かもだが)

先輩は何度かこの神社に来たことがあるみたいで、

先輩「オレらは鳥居んとこで 待っとくから、お前1人で境内に行って鈴鳴らしてから賽銭箱の裏見てこいや」

って、偉そうに言う。

オレ「なんで一人なんすか?イヤっすよ。」

とごねてみるも、

先輩「あかん」

と一言…。

渋々、境内に向かおうとすると、

先輩「○○(オレの名前)、何があっても絶対逃げんなよ!」

その真剣な表情が「確実に何かある」と思わせる。

恐る恐る、境内に近づき、鈴を鳴らす…。

この頃には心拍数MAX。

最大の警戒態勢で身構えるものの、鈴を鳴らしても変化なし。

「ふぅ」と一安心だが、まだ賽銭箱の裏を見なければならない。

先輩の表情から察するに、賽銭箱の裏を見たら絶対に何かありそうだった。

何かがあるという確信を持ちながらの賽銭箱の裏を見るという行為は、軽い刑罰に近いものを感じた。

過去最大級の緊張感、不安感、恐怖感の最中、意を決して賽銭箱の裏を覗き込んだ。

すると突然、

「ビリリリリリリッビリリリリリリッ」

と大音量で響きだす。と同時にオレの中で「逃げろっ」というシグナルが。

先輩の命令なんて無視して、速攻で退散。

少し離れたところで息を「ゼェゼェ」させていると何かの気配が近付いてくる…。

ぶちギレの神主さんだった。怒られているオレを見て、先輩達は大爆笑。

「ビリリリリリリっ」の正体は神主さんが付けた、ワルガキ達のイタズラ防止の為の警報器だったのです…。

おしまい(^^)v

怖い話投稿:ホラーテラー ユンボ乗りさん  

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