中編5
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父の異常

これは本当におこった話。

※怖くはないです

私が高校3年のとき、そのころから父が少しおかしくなりはじめた。

私は祖父母、父、兄、妹と住んでいた。祖父は加齢により老衰し寝たきりになってしまい、自宅で介護していたのだ。元気だった祖父がどんどん衰えていく姿はすごく悲しいものだった。

ある日、いとこのおばが祖父を看にうちに来ていた。

お昼すぎくらいになり、父が外に出てるとき、おばが私に話しかけてきた。

おば「あんたの父さん、私 がくると嫌な顔するんだよね。」

私「そうなの?」

おば「うん。あからさまに 態度が変わる。私を見た瞬間に怖い顔になるのよ。」

…確かにそれは私も気づいていた。いとこがうちにくると父は「あいつら、また来た。」などと言って不機嫌な顔をしていたからだ。

父は昔から怒りっぽく気性が荒い性格だった。それでもそれは私たちにだけで、いとこたちにみせることは今まではなかったのだけど。

祖父の介護を始めてから2ヵ月たった頃、その日妹は父と口喧嘩になってしまった。

理由は2つの部屋を仕切っていたドアを妹が閉めたからだ。

父は自分の部屋から出てきてそのドアを開ける。妹はまたキレながら閉める。

すると勢いよく父が部屋から飛び出してきて、ドアを開け妹を睨み付け、拳を振り上げ迫っくる。

妹はキレながら「なぐりたいなら殴ればいいじゃん。」と言ったところで祖母が起きてきて、その場は運良く収まった。

私はただただ見てるだけで精一杯だった。

父が自分の部屋に戻ったとき私は妹に聞いてみた。

私「父さんの部屋は閉まってるからここのドア開けてても良かったんじゃない?」

妹「いや、自分の部屋ちょっとだけ開けてずっとこっち見てたよ。だから気持ち悪くて閉めた。」

私は鳥肌が立ってしまった。父は何のために私たちを見ていたのか…

話してるのを父に聞かれていないか焦った。

その時はとても気味が悪かった。

妹と父は仲が悪くそれからも度々喧嘩になっていた。

妹に「ニヤニヤしながらバット持ってきたときは危ないと思った。」と言われたときは恐怖を覚えた。

そんなある日、私は夜遅くまで起きていた。

大きな地震があり、皆をおこし少し様子を見ていたが、危険姓はないということで寝ることになった。

夜中の2時を過ぎたころ。当時付き合っていた彼氏から着信があり、私は部屋を出て、うるさくないようにと外の物置の部屋に行くことにした。

物置の部屋は4つ並んでいて一番右端に入った。

1時間近く話しこんだところで誰かが外に出てきた。

(こんな時間に?)

内心少しびっくりしながら、声を小さくしてバレないように電話していた。

それから5分くらい話し、少し気になったので外の方に気を向けると、まだ誰か周りをうろうろしているようだった。

(早く中入ってくれないかな…)

と、思っているとぶつぶつと声が聞こえてきたので外に誰がいるのか分かってしまった。

…父がずっと周りをうろうろしていたらしい。

…え、何で。

私は鳥肌がたちビクビクしていた。怖さを電話で紛らわそうと思い声を低くし、話しながら父の様子を伺っていた。

すると物置の隣の部屋をあける音がした。

しかしすぐ扉はしめられた。

(何してるんだろう…)

こんな時間に外に出てうろうろしている父にとても危険を感じた。

そして物置の部屋の一番左の扉が開いたとき私は気付いた。

もしかして

私を探してる……

怖い!怖い!!それしか頭に浮かばず、逃げ場もないのでじっとしているしかなかった。

だんだん父が近づいてくる。相変わらず何か呟いてる。

隣のドアを開けたときその声が聞こえた。「ここにもいない」

私はダメだ…と思い怯えながら扉に背を向け座っていた。

扉を開けられ、私は父に背をむけたままビクビクしながら電話を続けていた。

とても振り向く勇気はなかった。何故か見てはいけないと思ったのを覚えている。

父は、そのまま何も喋らず身動きひとつせず、ただただ私を見ていた。

私は震えていたと思う。それを見てなのか父は「バカだね。お前は。」といい家の中に入って行った。笑っていた。暫く動けなかった。

次第に祖父が弱くなっていくと同時に父もどんどんおかしくなっていった。

・昼間3時くらいから家のカーテンを閉め始める。

・気味悪い笑いをするようになる。

・私に妙に優しくなる。

(これは今なら理由がわかる)

いとこに聞いた話しだが、カーテンを閉めるのは外から見たら異常で、まるで誰も入ってくるなという感じの雰囲気だったらしい。

もうひとつ、

私は気づかなかったが、父の祖父を見る目がたまにだが、物凄く恐しく感じたらしい。笑っているような呆れているような。

人に対して向けるような目ではないと言っていた。

そして介護から5ヵ月して祖父は心筋梗塞を起こし、なくなってしまった。

これは今、考えても良く分からない。

その日私は炬燵に寝ていて朝方金縛りにあったのを覚えている。

多分、そのとき祖父が苦しんでいたからなのだと思うのだが。

おかしいと思うのはここから。私と兄が炬燵に寝ていたのだけど、先に起こされたのは私。

父「起きろ。じいちゃんが大変だぞ、ちょっと見てこい。」と言われた。

急いで見に行き、祖父を見ると妙に白い、顔色が生きてる人のではなかった。

私は人の死に関わったことはなく、わけも分からず焦ってしまってとりあえずいとこを呼んだ。

いとこが駆けつけてくる。そして救急車を呼んだ。

救急隊員が祖父を見てる間私は、いとこの話しを聞いていた。

おば「誰が最初に気づいたの?」

私「分からない。私父さんに起こされたから。」

おば「そこなのよ。何で兄ちゃんより先にあんたを起こしたのか。その前に父さんは何で救急車を呼ばなかったのか。ばあちゃんがびっくりして動けないのは、わかるけど、それでもこの状況はおかしいよ……」

おば「見た瞬間死んでるのは分かった。それもけっこうたってる。何で…

何で放っておいたのか私には理解できない。」

救急車のあと警察がきた。何をしていたか事細かく聞かれた。

その時父の姿はなかった。部屋から出て来なかったのだ。

それからしばらくして祖父のお葬式も済んだ頃、私はいとこに言われた。

おば「気をつけてね。」

私「何が…?」

おば「前にじいちゃんを見る目が怖かったって言ったよね。あれ、今度はばあちゃんを見る目がそうなってるから…。」

おば「あとはあんたの兄ちゃんも父さんと同じ目してるときあるから気をつけて。」

………

……………

現在私は、父と兄と離れて暮らしている。

もっと早くもっと早く気づきたかった。

良くわからなくてすみません。

怖い話投稿:ホラーテラー 名ないさん  

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