短編2
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落とし物の行方

ご飯をたべた事がない、という人はまず1人もいないだろう。

ご飯をこぼした事がないという人も、まぁいない。誰もが1度は子供のころ、ご飯中にポロッと米やオカズなどをこぼした事があるはずだ。

そんな時、落とした米粒が消えてしまった!と言う経験はないだろうか?

服やズボンのすそを見てもついていない。

イスをのけてみる。あるいは、立ちあがってみる。床にふせて地面と平行な目線でさがす。

だが、ついさっき確実にこぼれた米粒が見あたらない。

私見では日本人の半数以上は、この経験があると思うのが、あなたはどうだろう?

共感してくれたあなた、よく思い出してほしい。

あなたは、その後に小さな幸せを体験しなかったか?

お母さんがケーキを買ってきてくれたり、ヒマだと思っていたら友達が家に遊びにきたり、当たりつきの駄菓子を買ったら当たりがでたりなど…

小さな、本当にささやかではあるがあなたは必ず幸せを体験しているはずなのだ。

なにも知らないあなたは、そんなこと気にも留めなかったことだろう。

だが、そのプチハッピーは実は偶然におこったわけではなかったのだ。

そこには、みなさんも必ず耳にしたことがあるあの妖怪が関わっていたのだ。

座敷童(ざしきわらし)である。

こぼしてしまった米粒がどうして見あたらないのか。実は、座敷童がもっていってしまってたのである。

座敷童はその米粒をたべてちょっぴり幸せになり、そしてそのお礼にあなたの事もちょっぴり幸せにしてあげるのである。

今度おとした米粒がなくなったら喜ぶといい。

その後には小さな幸せが待っている。

お母さんがケーキを買って帰ってきたらあたりを見まわしてみよう。

あなたの幸せそうな顔をみてニコニコしている座敷童がどこかからひょっこり顔をのぞかせているかもしれない。

怖い話投稿:ホラーテラー BLACK・KIDさん  

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