短編2
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御祖母様の話

私の、母方の祖母は20年前に亡くなりました。

祖母は、性格に問題のある人でまわりから嫌われていました。

私は、幼い時に両親が離婚して母に引き取られた私は、母の仕事の都合で、母方の実家に預けられました。

実家には、私を含め五人の孫がいましたが、祖母は、本家の長男(孫)は溺愛しましたが他の孫は、虫けら扱いでした。とくに、母が離婚して本家に預けられた私は、祖母の格好のターゲットで、いじめの対象でした。

私は、まだ5才位で余りにも、いじめが酷いので幼いながら、部屋の隅でしゃべらずに座っていても目障りと言う理由で罵られ、いじめ抜かるました。(友達もいない、出掛ける事のないストレスを発散してたんでしょう。)月日が流れ、私も成長し祖母が相変わらず、いじめようとした時、饒舌な私は、凄まじい反撃で正論を言うと祖母は、下を向き何も答えませんでした。それから祖母のいじめは、なくなりました。他の孫達も成長し、祖母に反抗し無視したので祖母は、孤立しました。

まもなく祖母は、衰えボケました。

私が20歳の冬に祖母は危篤になり病院に、運ばれました。

真夜中だったので、駆け付けたのは母と私、親戚の叔母さんと、従姉妹の長女だけでした。(溺愛した長男は最後まで姿をみせませんでした。)

祖母は、翌日の午後に亡くなりましたが、亡くなる前に目を開けて、私を見つめました。祖母の口からは、弱々しい声で「賢治!」と長男(孫)の名を呼んで私の手を握りました。とても優しい目でした。初めて見る優しい目でした。

そして祖母は、亡くなりました。

その夜、本家では葬儀の準備中で、あまり寝ていなかった私は、自分の家で仮眠する事にしました。

私は疲れのため、すぐに眠り込みました。

どのくらい眠ったのでしょう、ふと目覚めました。

私のベットの横が青白く光ってるのでそちら見ると、そこには祖母がいました。祖母は。私の

手を握りしめて、「賢治」と長男の名を呼びました。とても優しい目でした。

祖母は、私を長男だと思っているようでした。

私も、祖母の手を握りしめました。

祖母の、優しい目を見ていると不思議と今までの恨みや怒りが消えていきました。

私は、祖母を賢治として見送りました。

しばらくして祖母は、優しい顔のまま消えていきました。

そして現在、祖母の墓は私が守っています。

この話は、よく妻や子供にもしますが、祖母に嫌われていた私が祖母の墓を

守っている事を我ながら不思議に思います。

怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん  

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