中編3
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毎日 毎日 毎日

彼の家に届いた宅配の箱。

身に覚えのないS県の住所から送られてきた・・・

『間違いか?』でも宛先には彼の名前が記載されているのだ。

・・・開けるか・・・

ガサガサ

箱から出てきたのは、人形だった。

木製のピノキオみたいだ。

鼻が高い。

ピノキオの大きさは彼の膝くらいの高さ。40cmくらいか・・・なぜが継ぎ接ぎの服を着せられている。

どこかの子供が有り合わせの布地で作ったような

なぜか、両腕がない。

どうやら不良品のようだ。

知らない住所から送られてきて気味は悪かったが、ピノキオは全然かわいい人形だった。

彼はピノキオを、棚の1番上にのせた。

301352日目

彼は仕事から帰ってくると、早速シャワーを浴びるために風呂場へと向かった。

汗でベタベタになった服を脱いでいると

ドンッ ドン ドン ドド・・・

リビングから物音が聞こえた。何かボールのような物が落ちたような音だった。

彼は、パンツ1枚で電気のついた廊下から真っ暗なリビングのドアを開けた。

廊下の明かりが、リビングの床を照らした。

何か落ちている・・・

白っぽい何かだ・・・しかし、明かりが照らすところから少しずれているせいか見えにくい。

しかも彼は風呂に入るためにコンタクトを外しているので尚更見えない。

彼は手探りでドア横にあるリビングを照らす蛍光灯のスイッチを探した。

こうゆうときに限って、すぐスイッチを入れられないものだ。

『あ・・あれ?』

・・・コロコロ・・・

彼の足元に、さっきの白い何かが転がってきた。

コツン

何か白っぽい丸いモノが、ドアの隙間から身を乗り出した左足に当たった・・・

彼は恐くなってリビングのドアを勢いよく閉めた。

ハァ ハァ ハァ

今のは一体・・・

一人廊下に取り残された彼はリビングのドア前から動けなかった。

ま、まさか・・・

昨日、送られてきた木製の人形の仕業では・・・

しかし、あのピノキオは人形だ・・・動くわけがない。

しかも、動いていたモノは白っぽい色をしていた。

もしピノキオなら、木の色をしていたはず・・・

見間違いかもしれない・・・今、コンタクトをしていない。実は光の加減で木の色がわからなくなったのでは・・・

ピンポーン

うわぁぁぁ!!

突然、家のチャイムが鳴った。

誰だ・・・

夕方に帰宅したので外は暗かったが時間的にはまだ夜の8時くらいだろう。

静かに廊下を進み、覗き穴から誰なのかを確認する。

が、誰もいない。

夏だと言うのに寒気がして鳥肌がたった。

廊下横にある脱衣所から昨日雨が降って寒かったので久しぶりにタンスから出した赤のチエックシャツを着込んだ。

ギィ

赤いチエックシャツのボタンをしめようかしているとリビングのドアが勝手に開いた。

ぎゃあああああああああ腕があああああああ

ドサッ ドサッ

ズルズル ズルズル ズルズル

・・・・・・・・・

301353日目

ねぇ、お母さん!人形拾ったよ!

『もう・・・汚い人形ね。捨てなさい。』

えーやだー。

『それ・・・・頭が半分ないわよ!早く捨てなさい!!気味悪いわ!』

えー赤いチェックの服がかわいいのに!

・・・男の子は人形を母親に黙ってランドセルに入れた。

END

怖い話投稿:ホラーテラー 福岡県民さん  

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