短編2
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山寺

「いやいや…こんな山寺によくいらっしゃいましたね。

まあ、お茶でもお飲みください。

なんと!

東京からいらっしゃったのですか。

よくもまあ…こんな山寺まで足をお運びくださいまして…

さぞ疲れた事でしょうに。

こんな事を聞いたら失礼かもしれませんが…

一体、何の御用でこちらに?

え?

娘さんの手帳に書いてあったって?

それはそれは…

いやね…

この山寺は、水子供養で有名な寺でしてね…

まあ…お父様にこんな話をしてもしょうがないのですがね、娘さんの手帳にこの寺の事が書かれていたのでしたら…

娘さんは何か悩み事を抱えてるのかもしれないですね…

え?

違う?

そう言う事じゃなくて?

フムフム…なるほど、そう言う訳ですか…

娘さんが行方不明になってしまって、お父様がお探しになられているのですね。

それはまた大変な事だ。

その写真が娘さん?

どれ、拝見しましょうか。

うーん…

どうも見覚えがありませんなあ…

申し訳ありませんねえ、力になれなくて。

おや?

お父様…

納得してないようですね…

え?

娘の靴が?寺の焼却炉にあった?

いやいや…

参ったな…

コソコソと寺を散策してもらっちゃ困りますよ…

お父様、

この寺に来る事を誰かに話ました?

そうですか…

まあ、どちらでも良いのですがね。

正直に申し上げましょう。

娘さんはね、この寺に来ましたよ。

ちょうど一週間くらい前でしたか…

水子の供養を私にお願いしに来ました。

供養と言ってもですね、この寺では他のところとはちょっと違ったやり方をとっているんですよ。

そのやり方とはですね…

喰わせるんですよ…

水子を…

鬼に喰わせるんですよ…

で、鬼に喰わせて供養し終わったらね、心も体も綺麗サッパリになる訳です。

そして、綺麗になった娘の体をね、

また鬼が食べるんですよ。ゴリゴリと。

あらら…

お父様、大丈夫ですか?

具合が悪そうですが…

体が痺れて動かないんでしょうか?

残念ですがね…お茶に薬を混ぜておいたんですよ…

大丈夫。

もうすぐ意識も無くなりますよ。

私はね、男は喰わない主義ですがね…

せっかく東京から来てくださったのですから、私の腹の中で娘さんに会わせてあげましょうね。」

怖い話投稿:ホラーテラー ビー玉さん  

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