短編2
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望まぬ能力

仲の良かった姉を交通事故で失った。

父親の運転する車に同乗中、運転操作の誤りにより車がガードレールに突っ込んだ。

目撃者によると、姉の体を2本のガードレールが貫いたが、急所は外れたため即死せず、苦しみながら死んでいったらしい。

父親は逮捕されたが、本人は深く悲しみ反省しているため、情状を酌量され、起訴猶予になり、家に戻った。

僕は事故現場に毎日のように花をたむけていると、いつしか不思議な感覚にとらわれるようになった。

実際には見ていないのに、その現場に行くと、姉の死の間際の情景が脳裏に浮かんでくる。

それは姉の事故現場だけにはとどまらなかった。

道を歩いていたりすると不意にビジョンが浮かぶ。たいていの場合、交通事故の誰かの死に際の情景だ。

住む友達の家に向かう途中、たまたま通りかかった家が一家惨殺の現場だったため、猛烈に気分が悪くなったこともあった。

姉の死後、当たり前だが夫婦仲が悪くなり、毎日喧嘩ばかりしていた。

もちろん離婚話も持ち上がったが、僕の存在や経済的理由のためにそうはならなかった。

しかし、夫婦喧嘩は日に日にエスカレートしていく。喧嘩が始まると僕はいつも部屋に逃げ込み、布団をかぶって怒鳴りあう声から耳をふさいだ。

ある日突然、父が行方不明になった。母は警察に捜索願いを出し、その際「娘を事故で死なせて以来、ずっと自責の念にとらわれて悩んでいました。自殺でもしていなければいいのですが」と涙ながらに警察に説明していた。

でも僕は知っている。母が夜中に父の首をしめて殺し、庭の片隅に埋めたことを…

大好きだった姉は死んでしまい、人殺しの母親と、父の死体と一緒に、僕はどうやって暮らしていけばいいのだろう?

(サイトの趣旨を理解して一生懸命創作しても、フィクションと理解できずに、作者を変人扱いするコメンテイターがいるので、今後投稿しようか迷っています)

怖い話投稿:ホラーテラー 「田舎なんて」作者さん  

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