中編3
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誰かにつけられている?3

その日私はバイトが早く終わり、いつもより早く帰ることができました。

今日は店長が休みで 不安でしたが 一人で帰ることにしました。

駅を出てすぐにまたあの足音が聞こえてきました。

私は気づかれないように気を付けながら 後ろをうかがいました。

黒いパーカーにジーンズの男が20メートルほど後ろを歩いています。

暗いのと帽子を深く被っているため 顔はわかりません。

でもその服装には見覚えがありました。

Aさんです。

出勤してきた時に黒いパーカーだったのを確認していました。

私は犯人がわかったことで 逆に怖くなり 店長に電話しました。

しかし繋がりません。

あの送ってもらった翌日 店長が神妙な面持ちで 私にみんなのシフト表を見せてくれました。

彼の休みの日や早上がりの日が 私のつけられた日とぴったりいっちするのです。

私は彼が犯人だと確信しました。

私は何も気がついてない振りをしながら 家路を急ぎました。

角を曲がるときなども 彼のにやっとした顔が不意に現れるのではないかと不安でなりませんでした。

家につき ほっとしていると部屋の呼鈴がなりました。

びくっとした私は チェーンをかけ もしもの時のために包丁を握りしめました。

覗き穴を覗くと うつむきかげんの黒いパーカーの男が立っています。

私は怖かったのですが ひ弱そうなAさんになら 包丁を見せれば案外なんとかなるんじゃないかと思い チェーンを外して 思いきりドアを開けました。

しかしそこにいたのは彼ではありませんでした。

私は一年ほど前罪を犯しました。

なかのよかった友達の連帯保証人となり そして多額の負債を残したまま友達は消えました。

私の家には毎日のようにやくざの取り立てがくるようになりました。

精神的にもボロボロになり 職場にも取り立てが来るため 徐々に私の居場所はなくなっていきました。

仕事をなくした私は返済が滞るようになりました。

取り立てはどんどん厳しくなり とうとうその取り立ての男が部屋に押し込んできました。

金がないなら体出払え とにやにやしながら迫ってきました。

押し倒されもみあいになったとき 男を必死に突き飛ばすと 机の角に頭をぶつけ 動かなくなりました。

私は怖くなって 私は悪くないと何度も呟きながら部屋を飛び出しました。

男の車には数百万単位のおかねがありました。

私はそのお金で顔や名前を変え いろんな街をさ迷っていました。

今目の前にその男がにやにやときみのわるい笑顔を浮かべながら 立っています。

私は半狂乱になりながら包丁を突き立てました。

気がつくと私は血まみれで玄関に立ち尽くしていました。

不意に携帯がなりました。

私は携帯を落としてしまいました。携帯からは店長の声が聞こえます。

A君の親睦会をやるから今からこれないか?

上の空で聞いていると 悲鳴が聞こえました。

若い女の子が私を見て怯えた顔をしています。

滅多刺しになった男の死体と血まみれの女をみれば当然の反応なのかもしれません。

男? そこに倒れているのは宗教のチラシをもった中年女性です。

私はこれでなにもかもおしまいなんだと ぼんやりと考えていました。

怖い話投稿:ホラーテラー 匿山名美子さん  

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